県外の蜘蛛

2013年7月16日 (火)

八本脚のデザイナーたち

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ホラー的な世界を表現する際に描かれることが多い蜘蛛の円網。ときには邪悪なイメージで、またあるときは悪魔的な世界を演出する際にも用いられますよね〜


すごく残念です。


蜘蛛に興味のなかったときは私も上記のイメージがありました。それはまさに先入観というか刻印付けされたものではないでしょうか。


それに気がついたのが数年前。別の視点で見ると、円網が芸術作品のようにも見えることに気づきました。


種類によって網の形は多種多様で、二次元的なものもあれば奥行きのある三次元のものまであります。


行き当たりばったりで作っているとは思えない、その幾何学的な模様が美しく思えてきたわけです。


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さて、写真はナガコガネグモの網です。2匹はほんの数センチしか離れていないのに違ったデザインの網を作っています。


正確に言うと、網の中央部分にデザインされた隠れ帯と呼ばれる模様に違いがあります。


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一説によると蜘蛛の空腹状態で模様に違いが出るということですが、正確なことはわかりません。また、紫外線の反射を考えて模様を変えているという説もあったように記憶していますが、こちらも定かなことはわかりません。


「蜘蛛の網を見ていると意外とおもしろいな〜」と思う私です。

●ナガコガネグモ/Argiope bruennichii
コガネグモ科コガネグモ属

(撮影:2013.07.15/栃木県さくら市)


※このナガコガネグモは草の先で体を軽く触れるなどして刺激を与えると、全身を使って網全体をブルブルと揺らします。

これって威嚇行動なのか、防御行動なのかよくわかりませんが、おもしろいのでよくやっています。

蜘蛛にとってはかなりエネルギーを消耗するような運動のような気がしますけど…おもしろいのでついつい…


ちなみに、ほかのコガネグモの仲間たちの多くは触れただけで網から落下するものがほとんどです。それを考えるとこのナガコガネグモはかなり強気な蜘蛛なのかもしれませんね〜

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2013年7月15日 (月)

蜘蛛のハンモック

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夏の昼下がり、大型の蜘蛛たちは直射日光を避けてどこかに身を潜めていることが多いです。


今日見つけたのは、サクラの木の幹からぴょこんと生えた一枚の葉をハンモック代わりにしているオニグモでした。


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行儀よく脚を折り畳んだ姿は、正しい静止姿勢と言えそうな態勢。何かあったらすぐに地面に飛び降りることができそうです。

(撮影:2013.07.15/栃木県さくら市)

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2013年7月 7日 (日)

霧ヶ峰のコモリグモ

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長野県茅野市、諏訪市、下諏訪町、長和町にまたがる霧ヶ峰高原。そこに蝶々深山と呼ばれる1836mの山があります。


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蝶々深山の岩場で見つけたのが写真のコモリグモ。チリコモリグモかなと思いましたが、確信が持てません。

結局、種がわからない不明グモになってしまいました。

以前、尾瀬ケ原でチリコモリグモを見ました。今回見つけたものは尾瀬で見たものとは体格がだいぶ違います。尾瀬で見たものは体長が10ミリくらいありましたが、今回のものは7ミリ程度。


もしかすると成体になっていない個体なのかもしれません。

(撮影:2013.07.02/長野県・霧ヶ峰)


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尾瀬で見たチリコモリグモの写真です。

Alpecosa pulverulenta
コモリグモ科スジコモリグモ属

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2012年12月17日 (月)

お椀の下で待ってます

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見るからにサラグモの張る網です。お皿型というかお椀型というか、よくもこんな形の網が張れるものです。蜘蛛の器用さにはいつも感心させられます。


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制作者はこちらの蜘蛛。サラグモの仲間であることは間違いありませんが、何サラグモかわかりません。


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見つけたのは群馬県の榛名湖近くにあるユウスゲの道と呼ばれる散策路。いたるところにこの蜘蛛の網がありました。


(撮影:2012.7.7/群馬県)

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2012年7月 5日 (木)

奥入瀬のサラグモ

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6月の初旬に青森の奥入瀬渓流に行ってきました。そのとき見つけたのが写真のサラグモです。いったい何サラグモなのか見当がつきませんが、せっかく撮ってきたので載せました。


腹部は真っ黒で、頭胸部はオレンジと言うか橙色と言いましょうか…


眼域は黒くなっています。


特徴があると言えばあるのですが、私には種を特定できません。サラグモってあちこちで見かけるわりに、何者かわからないことって多いです。

(撮影:2012.6.9/青森県十和田市)

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2012年6月10日 (日)

湿原にオオハエトリ。尾瀬の不思議。

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5月の下旬に尾瀬ケ原に行ってきました。鳩待峠から尾瀬ケ原の入口である山の鼻に向かう山道には所々にまだ雪が残っていました。


しかし、尾瀬ケ原にはほとんど雪は残っていません。昨年の同時期と比べると、残雪の量は少ないと感じます。


そんな尾瀬ケ原の木道の上でハエトリグモと出会いました。


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尾瀬のハエトリグモだ! と夢中でシャッターを切りました。歳をとって目が悪くなったので、何者かわからず「きっと珍しい蜘蛛に違いない」とワクワクしたのですが…


撮った写真をその場で再生そして拡大してみると、見覚えのある姿ではありませんか。


「な〜んだ、オオハエトリか」と、ちょっとがっかり。


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でも、オオハエトリはどちらかというと森林性の蜘蛛のような記憶があります。こんなだだっ広い湿原の真ん中にのこのこと出てくるのは、かなり珍しいことなのかもしれません。


そんな意外な発見があった今回の尾瀬。目当てのチリコモリグモに出会うことはできませんでしたけど、ちょっとした収穫がありました。

●オオハエトリ/Marpissa milleri
ハエトリグモ科オオハエトリグモ属

(撮影:2012.5.26/群馬県片品村・尾瀬ケ原)

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2011年8月 9日 (火)

尾瀬の赤鬼

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尾瀬ケ原にはアカオニグモがいっぱいいることを知りました。


いつも群馬県側の鳩待峠から山の鼻、牛首分岐、竜宮まで行って戻って来ますが、今回はその先の沼尻川を越えて福島県に入り、見晴分岐から三条の滝方面を歩いてみました。

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ちょうど見晴十字路を越えたあたりから、怪しげな蜘蛛の網を多数見かけました。その網の主は、なんと憧れのアカオニグモだったのであります。

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こんな風にアブラガヤの穂の先に、住居を構えているわけです。たぶん、日中はここに潜んでいて夕方から活動を開始するのだろうと思います。


こんな住居を作って潜んでいるところなど、まるでナカムラオニグモそっくりです。じつは、この見晴十字路付近に到達するまでにも同じような蜘蛛の住居がありました。もちろん家主をチェック。その住人はナカムラオニグモでした。

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ところが見晴十字路を過ぎてからというと、すべてアカオニグモ。まるでアカオニグモの縄張りという感じでした。無数のアカオニグモが網を張っているのですから、それなりの獲物がこのあたりを飛行しているのでしょう。


多数のアカオニグモがいた場所は背後にちょっとした林があるほか、葦のような植物やアブラガヤ、背の低い樹木が湿原内に生えているという特徴があります。ちょうど地表から70〜150センチくらいの場所に網を張るには最適な環境と言えそうです。きっと彼らの獲物はこの高度を飛行する昆虫たちなのかもしれません。

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翌朝も探しに出かけてみると、露に濡れた網が各所にあるだけで主は宿に引っ込んでいました。きっと昨晩の雨で獲物が移動しなかったのでしょう。また、朝露に濡れた網には獲物がくっつきにくいのかも…

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撮影対象不在の絵にならない網では寂しいので、住居から無理やり主を引っぱってきました。朝露に濡れた網の中央に占座するアカオニグモ。まるでやらせ写真ですね。


まだしっかりと色がついていないので赤鬼蜘蛛という風貌ではありませんが、十分見応えがありました。今回はアカオニグモが見られただけで満足です。


●アカオニグモ/Araneus pinguis
コガネグモ科オニグモ属


(撮影:2010.8.7〜8/福島県檜枝岐村)

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2011年7月14日 (木)

初島のフクログモ

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熱海港から船で30分のところに初島という島があります。「相模湾に浮かぶ熱海の宝石」と言われている島だそうで、自然が豊かな場所らしいです。


島の南側には松林が広がっています。その松の枝の先端、葉が集まっているあたりに明らかに蜘蛛の住居と思われる袋状のものがありました。迷わず袋をつまんでちぎってみると…


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お出ましになったのはご覧の蜘蛛。間違いなくフクログモの仲間です。


たぶんヤハズフクログモではないでしょうか。フクログモの頭部は特徴のある形状をしていますが、このヤハズフクログモは象徴的なような気がします。


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じつはヤハズフクログモを見るのは初めてです。茨城県南部も生息域に含まれているはずなのですが、なぜか今までに一度もお目にかかったことがありませんでした。


とにかく、お会いできて光栄です。


●ヤハズフクログモ/Clubiona jucunda
フクログモ科フクログモ属

(撮影:2011.6.14/静岡県熱海市)


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2011年7月12日 (火)

尾瀬のチリコ

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6月初旬、ミズバショウの咲く尾瀬ケ原に出かけました。


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平地は初夏でも尾瀬は春。尾瀬ケ原に入れるようになったのは5月末のこと。それから10日ほどしか経っていないので、ところどころに緑が顔をのぞかせている程度。湿原はまだ茶色の状態です。


ところが、蜘蛛たちはすでに活発に活動していました。アシナガグモ科の小さな蜘蛛(幼体)が、木道の隙間やヤチヤナギの枝の間にかわいらしい小さな網を張っています。


足元に目をやると、木道を盛んに横切る蜘蛛たちがいました。やや大型のコモリグモです。


茨城の平地でよく見るハリゲコモリグモよりはずっと大きく、アライトコモリグモよりはちょっと小さい感じでしょうか。


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図鑑で調べたところチリコモリグモのようでした(愛称チリコ・勝手に命名)。木道だけでなく茶色い湿原の中を徘徊するものも多数見かけました。尾瀬ケ原はやっと雪融けを迎えたばかりですが、この蜘蛛たちを養う昆虫たちはすでにたくさん発生しているということらしいです。


それにしても、このチリコモリグモたちはどう見ても成体です。ということは、尾瀬の厳しい冬を乗り切ってきたということ。いったいどこでどのようにして冬を過ごしたのでしょう。


尾瀬は有数の豪雪地帯らしいですけど、たくさん積もった雪の下は意外にも湿度や気温が一定で過ごしやすいのかもしれません。とは言っても氷点下になることは間違いないでしょうから、体の中の水分をいかに調節するかがポイントなんでしょうね。詳しくは知りませんけど、蜘蛛は体内の水分調節に関して驚くべき機能を持っているという噂を耳にしたことがあります。具体的なことを覚えていないのが残念です。どなたかわかりやすく教えていただけないものでしょうか…

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●チリコモリグモ/Alopecosa pulverulenta
コモリグモ科スジコモリグモ属

図鑑『日本のクモ』(文一総合出版)によれば
「山地に生息。湿原、草地、芝生、林縁の草間などに生息する大型のコモリグモ。本州では標高1000メートル以上の高原に生息」とあります。
なるほど、茨城県南で見たことがないわけです。

(撮影:2011.6.7/群馬県片品村)


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2011年7月11日 (月)

信濃のトガリ

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五月の朔日、まだ雪の残る志賀高原。信州のサンセットポイント百選のひとつである横手山から見た風景はとても5月とは思えないものでした。


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小布施の友人宅に遊びに出かけ、連れてきてもらったのが標高1550メートルのところにある志賀高原清水公園。


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志賀の源水と表示があります。ここの水でお湯を沸かし紅茶を飲みました。う〜ん、なんて贅沢なひと時でしょう。紅茶を飲みながら周りをうろうろしていると…


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いました! 蜘蛛が。


こりゃ、トガリアシナガグモでしょうか。


いや〜、標高1550メートルあたりでトガリアシナガグモを見たのは初めてのことです。


茨城県南ですと、霞ヶ浦のほとりや小さな川のそばにひっそりと網を張っています。そんなシーンばっかり目にしているので、平地の水場を好む蜘蛛という先入観にとらわれていました。


今回の件でトガリアシナガグモは意外にも標高が高い場所にもいるものだということがわかりました。


加えて、この蜘蛛がいた場所はというと…沢というか川というか、幅3メートルくらいの浅い流れの近くでした。


やはり、水場の近くを好む蜘蛛であることは間違いないようです。水場付近を好むというのは、やはり特定の昆虫を餌にしているということでしょうか?


どんな獲物が網に引っかかるのかまでは観察していないので断言はできません。でも、トガリアシナガグモを水場から離れた場所で見た記憶があまりないので、明らかに意識的に住む環境を選択しているような気がします。

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●トガリアシナガグモ/Tetragnatha caudicula
アシナガグモ科アシナガグモ属

(撮影:2011.5.1/長野県志賀高原)


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