卵のう

2011年7月25日 (月)

庇を貸して母屋を取られる/オナガグモとイソウロウグモの仁義なき闘い

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オナガグモは変に胴体の長い蜘蛛です。こんなに不格好な蜘蛛は他にいないんじゃないでしょうか。蜘蛛に詳しくない人が見たら、蜘蛛とは思わないかもしれません。


この姿から想像すると、とてもヒメグモの仲間とは思えませんけど、卵のうの色や質感は確かにヒメグモが作るものと似ているかも…。細長い壺を逆さにしたような卵のうは一度見たら記憶に残る形だと思います。


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この細長い逆さ壺からはおびただしい数の子蜘蛛が出てきます。親蜘蛛は母性が強いのか、卵のうの近くに陣取って子蜘蛛たちをやさしく見守っていることが多いです。

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そんな心温まる誕生ストーリーをぶちこわすのが、この獰猛な蜘蛛たち。イソウロウグモの仲間と思われる蜘蛛です。たぶんフタオイソウロウグモだと推測します。


もともとイソウロウグモの仲間はほかの蜘蛛の網にちゃっかり居座って、主の食べなかった小さな獲物などのおこぼれを頂戴していますが、ときには徒党を組んで主を餌にしてしまうこともあります。お〜、なんと恩知らずの蜘蛛なんでしょう。現代風に表現すれば知恵者とも言えますかね〜


ま〜、もともとオナガグモだって蜘蛛の網とは思えない数本の糸を張って、そこを辿ってきた同類(蜘蛛)を餌食にしているのですから、罪深さの点では同じレベルかもしれませんね。


ただし、本件の痛ましいところはフタオイソウロウグモが卵のうから出てきたばかりのオナガグモの子どもたちを襲ったことです。頭がいいと言うか見境がないというか…


同類なのにね〜、蜘蛛の世界の掟はなかなか厳しいものがあるようです。


*この写真は昨年撮影したものです。


●オナガグモ/Ariamnes cylindrogaster
ヒメグモ科オナガグモ属

●フタオイソウロウグモ/Neospintharus fur
ヒメグモ科フタオイソウロウグモ属


(撮影:2010.7.14/かすみがうら市・旧千代田町)

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2010年8月15日 (日)

作者不明の卵のう

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だいぶ前のことになりますが、茨城県北部の常陸太田市で見つけた蜘蛛の卵のうです。常陸太田市と言っても旧里美村です。国道349号と461号が交差する折橋の交差点を高萩市方面に進むと横川温泉(鉱泉)があります。その手前にある沢沿いの道を山の方に向かって行きました。かなり沢を上っていったところで撮影したものです。


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さて、何グモの卵のうでしょう。アップにするとこんな感じ。ちょっとお菓子の“ゆべし”に似ているような気がします。卵のうの直径は3ミリありません。小さな小さな卵のうです。中には卵が7〜8個入っていたように記憶しています。沢のすぐ近くの葉っぱにぶら下がっていました。


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こちらはさらに小さい卵のう。直径は1.5ミリくらいです。たぶんイソウロウグモの仲間の卵のうではないかと推測します。こちらは林道斜面に転がっていた木の枝に張り巡らされたサラグモの網にちゃっかり付いていました。


撮影:2010.6.25/常陸太田市・旧里美村

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2010年5月25日 (火)

卯月は過ぎて皐月だけど

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いつでもどこでも見られると言ったら言い過ぎですが、それほどありふれている蜘蛛がウヅキコモリグモです。

蜘蛛のなかではなかなかの知名度を誇り、子どもでさえその名を口にすることがあります。地味ながら蜘蛛界の有名人の一人であることは間違いなさそうです。

う〜ん、渋い。シブすぎるくらいです。この渋さが雑木林のなかで完璧な保護色となります。しかし、蜘蛛ハンターである私の目を誤魔化すことはできません。というか、動き過ぎです、彼女たち。

それゆえ写真を撮るのが憚られるのです。だって、逃げ足早いんですもん。


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こちらはオスです。“地味”に輪をかけたような渋さです。頭胸部と脚の黒さが精悍さを醸し出していると言えば、そんな気もします。


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お尻に付けているのは吉備団子ではありません。卵のうです。こちらは再びメスのお姿。もうしばらくすると、卵のうから子蜘蛛が這い出し、お母さんの背中(というか腹部)に飛び乗ります。たくさんの子蜘蛛たちを背負った母蜘蛛の姿はたくましく見え、思わず「おっかさ〜ん、がんばれ〜」と声をかけたくなってしまいます。


●ウヅキコモリグモ/Pardosa astrigera
コモリグモ科オオアシコモリグモ属

撮影:2010.5.14/石岡市
参考文献:文一総合出版『日本のクモ』


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2009年10月17日 (土)

産卵完了! ジョロウグモ

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疲れ果てたジョロウグモのメス。その隣には生みたての卵のうがあります。


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細かいネットに包まれた卵の塊は、初めて見る人にとって「何の卵だろう?」と思わせる形状だと思います。人によっては蛾の繭と思うかもしれません。

お腹がパンパンに膨れていたメスはご覧のようにほっそり。というか、しぼんでしまったように見えます。


●ジョロウグモ/Nephila clavata
ジョロウグモ科ジョロウグモ属

撮影:2009.10.16/石岡市
参考文献:文一総合出版『日本のクモ』

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2009年10月12日 (月)

チリイソウロウグモの卵のう?

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鈴のような小さな物体がぶら下がっています。これは蜘蛛の卵のう。そばにいるのはメスグモです。


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ヒメグモ科イソウロウグモ属の一種だと思います。たぶんチリイソウロウグモではないでしょうか。

イソウロウ(居候)の名の通り、他の蜘蛛の網に同居してかかった餌のおこぼれなどをちょうだいして暮らしています。ときには母屋の主に襲いかかって餌にしてしまうこともあるといいます。体長10ミリ前後(オスはメスより小さく5〜9ミリ)の小さな蜘蛛ですが、凶暴な一面も持ち合わせている侮れない蜘蛛です。


●チリイソウロウグモ/Argyrodes kumadai
ヒメグモ科イソウロウグモ属

撮影:2009.9.11/石岡市
参考文献:文一総合出版『日本のクモ』

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2009年10月 8日 (木)

宙に浮く茶色い布

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いかにも怪しげな物体を見つけました。直感的に蜘蛛の卵のうではないかと判断。ガサガサと薮の中に入っていくと…


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おお、やっぱり。蜘蛛の卵のうに違いありません。それにしても凝った造りです。こんなに糸を張り巡らせて防御した上に、宙に浮かんだように設置するなんて! 蜘蛛って相当の業師だと思います。見方によってはアートですよね、これ。空間芸術という言葉があるかどうかは知りませんが、オブジェとして家に飾っておきたいほどです。

さて、作者はだれでしょう? う〜ん、コガネグモではないないでしょうか。断言はできませんが、たぶんそうではないかと思います。


撮影:2009.9.28/桜川市・旧真壁町
参考文献:文一総合出版『日本のクモ』

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2009年9月15日 (火)

卵のうを抱えるイオウイロハシリグモ

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イオウイロハシリグモをよく見かけるようになりました。彼らは子育ての真っ最中のようです。


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メスたちは鋭いアゴと触肢を使って卵のうを大事に抱えています。


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なかにはご覧のように育児用の網を張っているものも見られました。


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網の中には子蜘蛛たちがうじゃうじゃいます。団居(まどい)状態の子蜘蛛たちです。


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お母さん(左)とちっちゃ〜い子蜘蛛です。かわいいですね。

●イオウイロハシリグモ/Dolomedes sulfurous
キシダグモ科ハシリグモ属

撮影:2009.9.10/石岡市
参考文献:文一総合出版『日本のクモ』

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2009年8月20日 (木)

蜘蛛の母性本能

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そんなものさえ感じさせるキハダエビグモのメスの姿勢。がっちりと卵のうをガードしています。

ごく普通に見られる蜘蛛なのですが、見事な保護色のため気づかない人が多いと思います。茨城県南部と言わず、全域に生息しているのではないでしょうか。それくらい一般的な種です。


●キハダエビグモ/Philodromus spinitarsis
エビグモ科エビグモ属

撮影:2009.7.6/石岡市
参考文献:文一総合出版『日本のクモ』

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2009年8月15日 (土)

見たことがない蜘蛛の卵のう

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怪しげなものが笹の葉の裏側にくっついています。きっと蜘蛛の卵のうに違いありません!


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卵のうの表面には赤い糸が張り巡らせてあります。この赤い糸の持つ意味は何なのでしょう?


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申し訳ありませんが、ちょっと中身を拝見。

うわ〜、すごい数の子グモたちがひしめいています。ルーペで見てみましたが、何グモなのかさっぱりわかりませんでした。

後で調べてみたら…

どうやらゲホウグモの卵のうのようです。ゲホウグモの存在は図鑑を見て知っていましたが、実物はいまだに見たことがありません。

枝先などに止まっていると、木のこぶのように見えるそうです。いわゆる擬態ですね。そんな止まり方をすることは知っていたので、出かけるたびに注意深く見ていたのですが、残念ながら出会いは一度もありませんでした。

しかし、この一件でゲホウグモがいることだけは確認できました。今後は成体(親グモ)を発見できるようにがんばっていこうと思います。


●ゲホウグモ/Poltys illepidus
コガネグモ科ゲホウグモ属

撮影:2009.7.3/石岡市
参考文献:文一総合出版『日本のクモ』

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2009年8月 6日 (木)

薄汚れた卵のう

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葉っぱの裏に煤けたゴミのようなものが…


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いいえ、ゴミと思ったら大間違い。こちらは蜘蛛の卵のうです。


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生みの親は誰かと思ったら…アシナガグモでした。

●アシナガグモ/Tetragnatha praedonia
アシナガグモ科アシナガグモ属

撮影:2009.6.28/石岡市・旧八郷町
参考文献:文一総合出版『日本のクモ』

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