
再び、鹿行地域の潮来市からの報告です。別の日にまた出かけたので、ちょっと蜘蛛観察をしてみました。今回は、潮来市と言っても旧牛堀町です。場所は高台にある権現山公園。ここは眺めのいい場所で、霞ヶ浦や川沿いの風景が一望できます。あの葛飾北斎が描いた「常州牛堀」は、ここからの眺めだと言われています。

さて、蜘蛛の報告です。まず見つけたのはコクサグモ。柔らかそうな棚網を張っていました。写真は比較的新しそうな網を撮ってみました。棚網と言ってもピンと来ない方も多いと思います。でも、この写真を見れば「あぁ、これね!」と思いだすのではないでしょうか。

なかにはアリをごちそうにしているものもいました。コクサグモがアリを餌にしているのは初めて見ました。よほどお腹がすいていたのでしょうか? それともよく食べる獲物なのでしょうか? 背の低いドウダンツツジ、人の身長ほどのツツジのてっぺんには、たくさんのコクサグモの網がありました。
しかし、不思議なものです。数か月前は、このような棚網の主はクサグモでした。特に夏頃はほとんどがそうでした。その頃コクサグモは、スラリと伸びたヨウシュヤマゴボウなどの葉の上に数センチ四方の小さな網を張っていたに過ぎません。夏から秋にかけてクサグモとコクサグモの交代劇があったのでしょうか。いったい二人(二種)の間にはどのような取り決めがあるのか知りたくなりました。


クサグモばかりでうんざりしていたところ、小さな蜘蛛が目にとまりました。よく似た蜘蛛にアシハグモがいますが、模様から判断するとネコハグモのようです。

さらにコガネグモ科の蜘蛛のものらしき網を発見。枠糸の結び先を注意深く追っていくと、緑の蜘蛛が見えました。アオオニグモです。久々の対面なので、ちょっと嬉しかったです。アオオオニグモは、枠糸の一本を必ず葉に結びつけています。その葉をほどよく曲げ、自分の体がすんなり入るスペースを確保して糸でかがります。それが彼らの住居です。お腹を向けているので、緑の葉っぱと同じ色になっています。一応、保護色ということなのでしょう。よく考えたものです。しばらく前に報告したビジョオニグモも同じような住居を作ります。しかも腹部も同じ緑です。




せっかくの機会なので、今回撮ったアオオニグモと以前撮ったビジョオニグモを比較してみます。アオオニグモはかなり小さな幼体ですが、色の比較はできると思います。上がアオオニグモで、下がビジョオニグモです。腹部はほとんど同じです。ですから、背中を見るまではどちらか判断できません。
ちょっと長くなってしまったので、このつづきは次回にします。
●コクサグモ/Allagelena opulenta
タナグモ科コクサグモ属
●ネコハグモ/Dictyna felis
ハグモ科ハグモ属
●アオオニグモ/Araneus pentagrammicus
コガネグモ科オニグモ属
●ビジョオニグモ/Araneus mitificus
コガネグモ科オニグモ属
参考文献:文一総合出版『日本のクモ』
(2007.10.30/潮来市・旧牛堀町)
*ビジョオニグモは10月20日に岩井市で撮影したものです
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