ハエトリグモ科

2013年1月 2日 (水)

真冬の蜘蛛探し2

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前回に引き続き、樹木の名前プレートの裏で見つけた蜘蛛の報告です。


こちらは体長約10ミリのオオハエトリ。ハエトリグモの仲間では比較的大型の蜘蛛です。茨城県南部ではいろいろな場所で見かける蜘蛛といえます。どちらかといえば、森林性の蜘蛛と言いましょうか、雑木林で見つけることが多いです。


前回報告したマダラスジハエトリと同様に毛むくじゃらの印象が強い種類と言えるのではないでしょうか。さらに、毛むくじゃらと言えばシラヒゲハエトリもその一つ。シラヒゲハエトリに関しては、古い木造住宅で見かけることが多いです。

●オオハエトリ/Marpissa milleri
ハエトリグモ科オオハエトリグモ属


(撮影:2013.01.01/阿見町)

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2013年1月 1日 (火)

真冬の蜘蛛探し

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真冬に蜘蛛を見つけるなら、公園の樹木に掛けられている名前プレートが一番手っ取り早いです。


ただし、配慮しなければならないのが越冬中の蜘蛛たちのこと。まずは、プレートは静かにめくること。プレートの裏には、蜘蛛の越冬用の住居といえる寝袋状の袋があります。この糸で編まれた袋のなかで、蜘蛛たちは寒い冬を耐えているわけです。


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なかには驚いて袋を飛び出し、地面に落ちてしまうものがいます。寒さで体力も消耗しているでしょうし、運動能力も下がっていることでしょう。しおり糸をたぐって家に帰ることはできるでしょうが、プレートめくりのときに剥がれてしまった糸を修復し、元の暖かい住居に戻すには相当なエネルギーを使わなければならないかもしれません。


上記のようなことを考えると、極力蜘蛛たちに迷惑をかけないように静かにプレートをめくり、元通りに戻さなければならないと思います。


元旦に蜘蛛探しをするとは思ってもみませんでしたが、あまりにも暇だったのでかつて足を運んだ公園に出かけてみました。以前、この公園でイヅツグモをみつけたので、今日は冬眠中の彼らに出会えればと期待していました。


結果から言うと、イヅツグモにはまったく出会えませんでした。その代わり数種の蜘蛛を見かけたので報告したいと思います。


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今回の蜘蛛探しで特に印象に残ったのがマダラスジハエトリ(メス)です。茨城県南部で蜘蛛観察をしている自分が、この蜘蛛を見たのは数回です。それほど珍しい蜘蛛とは思えないのですが、目撃回数は非常に少ないです。もしかすると樹上生活の比率が多い蜘蛛なのかもしれません。人の身長よりも高い位置を移動しながら獲物を探しているのでは…と勝手に想像してしまいます。


じつは、マダラスジハエトリのオスをまだ見たことがありません。今年はぜひお会いしたいものです。


●マダラスジハエトリ/Plexippoides annulipedis
ハエトリグモ科マダラハエトリグモ属

体長は約10ミリ。なんとなく毛深い印象の蜘蛛です。メスの腹部末端近くにある白い「ハ」の字が特徴です

(撮影:2013.01.01/阿見町)

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2012年6月19日 (火)

ライオンハエトリなんていないけど…

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自分の体の数倍はあろうと思われる蛾を仕留めたハエトリグモ。その猛々しさと言ったら、百獣の王・ライオンのようです。


その勇姿をたたえて、この蜘蛛をライオンハエトリと命名したくなりますね〜


ハエトリグモの仲間にネコハエトリという種がいます。なんでネコという名前がついたか、その理由は知りません。しかし、この名前がついている以上、ネコとは何らかのつながりがあるのではないでしょうか。模様が三毛猫みたいとか、ずんぐりとしたメスの姿が、丸まって寝ているネコの姿とそっくりだとか…


ネコはボールでじゃれたり、ネズミを捕まえたりします。でも、いずれも自分より遥かに小さいものを相手にしているわけであります。


ところが、ネコハエトリという蜘蛛は写真のものと同様に、自分の数倍もある獲物に跳びかかります。つまり、ネコと言うよりライオンなわけであります。


おっと、話がネコハエトリになってしまいました。


しかし、写真の蜘蛛はネコハエトリではありません。たぶんマミジロハエトリの幼体ではないかと思います。


茨城の県南部に限らず、関東ならどこでも見られる普通種のひとつでしょう。決して珍しい蜘蛛ではありませんが、派手なパフォーマンスを見せてくれたので報告しました。

●マミジロハエトリ/Evarcha albaria
ハエトリグモ科マミジロハエトリグモ属

(撮影:2012.5.20/土浦市)

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2012年6月17日 (日)

ご無沙汰しております。ヤハズハエトリ様

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蜘蛛観察のみならず、生きもの観察に足を運ぶ機会がめっきり少なくなりました。


そのせいもあって、こちらのヤハズハエトリを目にするのは久しぶりです。4〜5年前にはよく見かけたこの蜘蛛ですが、キタヤハズハエトリが台頭してきたせいでしょうか、2〜3年前から見かける機会がぐんと減りました。


すらりとした体、黒い地肌に白い矢筈模様、そして長い前脚。


茨城ならどこにでもいる普通種なのでしょうが、久しぶりに逢ったような気がしてちょっと嬉しくなりました。


Mendozaという属名を冠したこの仲間は、日本名ではテナガハエトリグモ属と呼ばれているようです。その属名の通り第1脚が長いです。しかもスマートなので、脚を伸ばして静止したときの姿勢がとても印象的。ハエトリグモのなかでは体が大きな種だと思います。


どうなんでしょう? 一般の人がイメージする蜘蛛の姿とはちょっとかけ離れているような気がするんですけど…


あまり蜘蛛に興味がない人に「これな〜んだ?」と言って見せたら、蜘蛛と答えてくれるでしょうか? ちょっと気になります。

●ヤハズハエトリ/Mendoza elongata
ハエトリグモ科テナガハエトリグモ属

(撮影:2012.5.20/土浦市)

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2012年6月10日 (日)

湿原にオオハエトリ。尾瀬の不思議。

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5月の下旬に尾瀬ケ原に行ってきました。鳩待峠から尾瀬ケ原の入口である山の鼻に向かう山道には所々にまだ雪が残っていました。


しかし、尾瀬ケ原にはほとんど雪は残っていません。昨年の同時期と比べると、残雪の量は少ないと感じます。


そんな尾瀬ケ原の木道の上でハエトリグモと出会いました。


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尾瀬のハエトリグモだ! と夢中でシャッターを切りました。歳をとって目が悪くなったので、何者かわからず「きっと珍しい蜘蛛に違いない」とワクワクしたのですが…


撮った写真をその場で再生そして拡大してみると、見覚えのある姿ではありませんか。


「な〜んだ、オオハエトリか」と、ちょっとがっかり。


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でも、オオハエトリはどちらかというと森林性の蜘蛛のような記憶があります。こんなだだっ広い湿原の真ん中にのこのこと出てくるのは、かなり珍しいことなのかもしれません。


そんな意外な発見があった今回の尾瀬。目当てのチリコモリグモに出会うことはできませんでしたけど、ちょっとした収穫がありました。

●オオハエトリ/Marpissa milleri
ハエトリグモ科オオハエトリグモ属

(撮影:2012.5.26/群馬県片品村・尾瀬ケ原)

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2011年5月15日 (日)

チャスジのようでちょっと違う

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蜘蛛から遠ざかって10か月近く。覚えたことのほとんどを忘れてしまいました。


身の周りで蜘蛛を見かけるようになってきたので、ときどき報告しようかと思います。


家の近くで見る蜘蛛としては初めてのものです。チャスジハエトリかと思いましたが、ちょっと模様が違うようです。さて何グモなのでしょう?

(撮影:2011.5.15)

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2010年7月29日 (木)

異様に長い脚のハエトリグモ

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オスはメスに比べるとスマート。蜘蛛にはそんな種が多いです。ハエトリグモのなかにあっては、チャイロアサヒハエトリのオスは群を抜いているでしょう。なんですか? この長い脚。どうしてこんなに長いのかなぁ…

余談ですが、今までで一番驚いたのがアサヒエビグモのオスです(ハエトリグモじゃなくてエビグモの話になってしまいました)。その脚の長いことと言ったら、まるでザトウムシのような印象でした(誇張し過ぎかも?)。蜘蛛を通り越して、別種の生きものかと思うくらいです。しかし、その長い脚を制御してものすごい早さで樹皮上を移動するのです。これにはホント、目が点になりました。


●チャイロアサヒハエトリ/Phintella abnormis
ハエトリグモ科アサヒハエトリグモ属

撮影:2010.7.4/つくば市
参考文献:文一総合出版『日本のクモ』

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2010年7月14日 (水)

ヤハズのようでヤハズでない。不思議なハエトリ

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尾瀬に咲いていたヒツジグサです。初めて野生のものを見ました。想像していたより小さな花です。午前中は咲いていなかったのに、午後になったらあちこちで花が開いていました。それもそのはず、未の刻(午後2時)頃に咲くのでヒツジグサの名前になったようですから。


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花の話は置いといて…

こちらは明らかにハエトリグモの仲間。Mendoza属(テナガハエトリグモ属)の一種のように思います。一見するとヤハズハエトリのオス幼体ですが、模様が微妙に違うような気がします。しかもここは尾瀬。単なるヤハズハエトリってことはないと思っちゃったりします。しか〜し、色彩変異や個体差が恒例の蜘蛛の世界。ありえますよね、単なるヤハズハエトリのちょびっと変異ってことが。


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そうは思いつつも「やっぱりどこか違う」と納得しない自分。とくに頭胸部の模様が違うような気がします。

私の持っている図鑑には掲載されていませんが、あの3万円以上する蜘蛛の図鑑になら名前が載っているかもしれません。そこらへんの本屋さんにおいてあるなら、ちょこっと立ち読みして確認してこられるのですが…。値段も値段ですし、ここは茨城の田舎ですし、そんな都合のいいことがあるわけありません。

(ひょっとして、その図鑑にはオゼヤハズハエトリなんていうのが記載されていたりして…)


撮影:2010.7.12/群馬県片品村
参考文献:文一総合出版『日本のクモ』


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2010年7月13日 (火)

尾瀬にウスリー?

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久々というか、一か月ぶりに尾瀬に行ってきました。もちろん仕事です。


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しか〜し、仕事と言いながらも蜘蛛探しは忘れていません。今回もちゃっかり撮ってきちゃいました。えへへへ。

ニッコウキスゲが満開に近かったです。ほかにも、ヒオウギアヤメやトキソウ、サワラン、モウセンゴケ、ヒツジグサ、ミツガシワなどが見られました。あと、綿毛を飛ばしているワタスゲ。そう言えば、タテヤマリンドウがまだ咲いていましたね〜


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まずはこちら。こりゃ、ただならぬハエトリグモです。今まで一度も見たことがありません。ニッコウキスゲの花びらでちょこまかしている小さな黒い粒(たぶんメスだと思います)。それをぼんやり眺めていたら「…そういやぁ図鑑に載っていたな」と、古い記憶が私に語りかけてきました。

家に帰って確かめてみると、ウスリーハエトリにそっくりです。観察拠点が茨城南部なので「まず見ることはないだろう」と判断して積極的に覚えなかった種です。まさか、こんなところで出会うとは「縁は異なもの味なもの」です。感動がじわじわと押し寄せてきました。ヤッホー


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ウスリーハエトリは蜘蛛屋さんのなかでも話題のハエトリです。何が話題かって? 私はよく知らないんですが…

なんでも、よく似た蜘蛛にチビクロハエトリっていうのがいるんですが、じつはウスリーハエトリとチビクロハエトリは同一種なのではないか云々……確か、こんな話題だったような気がします。ウスリーハエトリにしろチビクロハエトリにしろ、とにかく今回の蜘蛛は初めて見るもの。まずは発見を喜びましょう。

まだまだ見ていない蜘蛛はたくさんいます。今回のように、想像もしなかった場所で突然出会うことがあるやも知れません。蜘蛛探しの奥は深く、しかも感動に満ちています。これからもがんばるぞ〜


●ウスリーハエトリ/Heliophanus ussuricus
ハエトリグモ科ヒナタハエトリグモ属

撮影:2010.7.12/群馬県片品村
参考文献:文一総合出版『日本のクモ』

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2010年5月 5日 (水)

真昼の決闘

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ここ数日とても暖かいです。蜘蛛日和とでもいいましょうか、ハエトリグモの仲間があちこちで闊歩しています。とくに目につくのはマミジロハエトリとネコハエトリのオスの姿です。写真はマミジロハエトリのオスです。


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オス同士が出会うと、まずは挨拶代わりに威嚇のポーズ。両手(第一脚)を大きく振り上げて、「襲いかかるぞ」と言わんばかりの勇ましさを誇示します(写真はマミジロハエトリのオス同士)。


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こちらはネコハエトリのオス。毛むくじゃらで地味な印象の蜘蛛です。昔はネコハエトリのオス同士を闘わせる「ホンチ」と呼ばれる遊びがあったそうです。でも、私が子どもの頃にはそんな遊びはありませんでした。茨城県南部ではホンチはなかったのかも(千葉県にはあったと聞いています)。


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種の違うオス同士が出会っても両者は威嚇行動をとります。写真左はネコハエトリ、右がマミジロハエトリです。このとき、両者は威嚇行動のみで格闘することはありませんでした。

実際に格闘すると「取っ組み合い」という表現がピッタリの様相になります。ハエトリグモ科の蜘蛛は意外にけんかっ早いような気がします。これは網を張る蜘蛛と違い、徘徊性の蜘蛛であることも影響しているかもしれません。餌を求めて歩き回っていると、出会い頭の衝突は頻繁にあるでしょうから…

●マミジロハエトリ/Evarcha albaria
ハエトリグモ科マミジロハエトリグモ属

●ネコハエトリ/Carrhotus xanthogramma
ハエトリグモ科ネコハエトリグモ属

撮影:2010.5.1/石岡市
参考文献:文一総合出版『日本のクモ』

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