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2010年7月

2010年7月29日 (木)

異様に長い脚のハエトリグモ

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オスはメスに比べるとスマート。蜘蛛にはそんな種が多いです。ハエトリグモのなかにあっては、チャイロアサヒハエトリのオスは群を抜いているでしょう。なんですか? この長い脚。どうしてこんなに長いのかなぁ…

余談ですが、今までで一番驚いたのがアサヒエビグモのオスです(ハエトリグモじゃなくてエビグモの話になってしまいました)。その脚の長いことと言ったら、まるでザトウムシのような印象でした(誇張し過ぎかも?)。蜘蛛を通り越して、別種の生きものかと思うくらいです。しかし、その長い脚を制御してものすごい早さで樹皮上を移動するのです。これにはホント、目が点になりました。


●チャイロアサヒハエトリ/Phintella abnormis
ハエトリグモ科アサヒハエトリグモ属

撮影:2010.7.4/つくば市
参考文献:文一総合出版『日本のクモ』

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2010年7月28日 (水)

幻のアカオニグモか?

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前回に続いて尾瀬ケ原からの報告です。


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尾瀬ケ原で黄色い小さな蜘蛛を見つけました。体長は5〜6ミリです。ムツボシオニグモではなさそうなので、何か別種の幼体だと思います。


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別の場所で同じように黄色い蜘蛛を見つけました。こちらは10ミリ近い体長です。きっと最初の写真は、この蜘蛛の幼体なのだろうと思ったのですが…。同じ種ならこんなに体格差があるのだろうかという疑問も残ります。なので、この件については同一種と断言するのはやめておくことにします。(だったら載せるな! おっしゃる通りです)


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蜘蛛はコバイケイソウの葉に網を張っていました。木道から5〜6メートル離れた場所だったので最大望遠での撮影です。コンデジなので写りがかなり悪いです。

右に写っている個体は体型から推測するとオスのような雰囲気です。左は何となくメスのような気がします。さて、なにグモでしょう。ひょっとしてアカオニグモ?

今年の5月から、5回ほど尾瀬に出かけています。行くたびに「アカオニグモいないかなぁ」と探していました。そんなこともあり、この蜘蛛を見つけたとき「ついにアカオニグモとの対面か!」と心が躍りました。


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アカオニグモは、オスは赤くなりませんが、メスは腹部が赤くなるはず。でも、この個体は体がまったく赤くありません。図鑑によれば、幼体のときは黄色で成体になって数日すると赤くなると書いてあります。ということは、このメスはまだ亜成体なので赤くないのかもしれません。

いい加減な推測で、自分の頭のなかではすでにこの蜘蛛はアカオニグモになってしまいました。間違っているかもしれませんが、この蜘蛛をアカオニグモとします。

右のオスは、亜成体である左のメスの近くに陣取って交接のチャンスをうかがっているようです。成体になる前に予約を入れておくせっかちなオスたちは、ほかの種でもよく見かけます。ジョロウグモなどは何匹ものオスたちがメスの周りを取り囲んでいることが多いです。

話がそれましたが、アカオニグモは個体数がきわめて少ないと図鑑に書いてありました。本州では1,000メートル以上の高原や湿原に生息するそうです。そんな希少種を見られたことは、今回の尾瀬ハイキングの最大の収穫です。ヤッター!


●アカオニグモ/Araneus pinguis
コガネグモ科オニグモ属

撮影:2010.7.25/群馬県片品村
参考文献:文一総合出版『日本のクモ』

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2010年7月27日 (火)

尾瀬の中村君

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尾瀬ケ原でこんな蜘蛛に出会いました。これは中村君ことナカムラオニグモでしょう。

ナカムラオニグモと言えば、茨城県南部の田んぼやその周辺の草原にわんさかいる蜘蛛です。その蜘蛛が尾瀬ケ原にいるとは思ってもみませんでした。尾瀬ケ原と言えば標高1,400メートルくらいのところにある湿原です。どう考えても茨城県南部とは環境が違うはず。それでも生息しているのですから、ナカムラオニグモは想像以上に適応力のある蜘蛛のようです。


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さらに別の場所でも見つけました。気にしながら歩いていると、ナカムラオニグモの特徴的な住居があちこちにあります。特徴的な住居とは、草の葉先をくるりと丸めて糸でくくった袋状の住まいのことです。


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いったい何を食べているのでしょうか? 田んぼと尾瀬の共通点と言えば湿った環境ということ。きっとそういう場所に生息する昆虫たちを獲物にしているのだと思います。今後は蜘蛛だけでなく、網にかかった虫たちも注意して観察する必要がありそうです。


●ナカムラオニグモ/Larinioides cornutus
コガネグモ科ナカムラオニグモ属

撮影:2010.7.25/群馬県片品村
参考文献:文一総合出版『日本のクモ』

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2010年7月22日 (木)

ジョロウグモの仕事は細かい

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いい仕事をしていると言えばいいのか、細かいところまで手を抜かないと言ったらいいのか?

ジョロウグモは4〜5ミリの幼体の頃から繊細な網を張ります。軽く驚かしてやると、網を小刻みにふるわす芸当を見ることができます。ただし、驚かしすぎるとポロリと網から落っこちてしまうので、うまく加減してください。

こうして網を見ると、なぜかレコードを思い出してしまう私。えっ、レコードってなに? なんて言う世代もいるかもしれませんね。今やCD、もしくは音楽データとしてネットからダウンロードする時代です。きっとビニールレコードなんて知らない若者がほとんどでしょう。

レコードに限らず、ビニールなんとかにお世話になった世代としては複雑な思いでいっぱいです(なんのこっちゃ?)。

ついでに、この蜘蛛玉の写真。以前から、けっこう低い位置で見ることが多かったのです。これってジョロウグモのまどいのような気がしているんですが…


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ジョロウグモは木の幹など、ちょっと高い場所に卵のうを造ることが多いような印象があります。ということは、そこから出のうした子蜘蛛たちは改めて別の場所に全員集合するということになります。その場所の選定や指揮はどの子蜘蛛が執るのでしょうか。前もって決まっている? いや、そんなバカな! 不思議です。ほんと不思議です。この謎、誰か解いてくれないでしょうか。


●ジョロウグモ/Nephila clavata
ジョロウグモ科ジョロウグモ属

撮影:2010.6.25/常陸太田市、まどいは6.9/石岡市
参考文献:文一総合出版『日本のクモ』

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2010年7月16日 (金)

やばいマーク…ウズグモのいたずら

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ウズグモは渦巻き状の隠れ帯を網に作ることが多いです。ときには直線状のこともあるのですが、この網には渦と線が一緒に描かれています。こんなこともたまにはあるようです。


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この隠れ帯を見ていたら、子どもの頃にいたずらで描いたマークを思い出してしまいました。何を意味するマークかはここでは言えませんが、記憶の片隅に残っていらっしゃる方も多いのでは…

もしかして、そのマークって茨城県南部だけで流行っていたものかもしれません。昭和40年代に思春期を迎えた人たちで、茨城県南部出身の方だったら思い出していただけるでしょうか?


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直線状の隠れ帯はこんな感じです。この蜘蛛とよく似た同じ仲間にカタハリウズグモという種がいます。カタハリウズグモはこの蜘蛛より明るい色をしています。体型も微妙に違いますが、言葉で説明するのは難しいです。


●ウズグモ/Octonoba varians
ウズグモ科ウズグモ属

撮影:2010.6.25/常陸太田市
参考文献:文一総合出版『日本のクモ』

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2010年7月15日 (木)

獲物は自分の10倍

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オオヒメグモが巨大な毛虫を捕らえていました。たぶん大型の蛾類の幼虫だと思います。それにしても大きな獲物です。大きさからすると、オオヒメグモの10倍以上、いや20倍近くあるのではないでしょうか。

これを吊り上げるのだから、蜘蛛の糸の強靭さには驚かされるばかりです。この糸を人間世界で実用化できたなら、ものすごいものが作れるのではないでしょうか。


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このお母さん蜘蛛、やけに頼もしいと思ったら近くに子蜘蛛たちがいました。「母は強し」を地でいく肝っ玉母さんです。

●オオヒメグモ/Achaearanea tepidariorum
ヒメグモ科ヒメグモ属

撮影:2010.6.25/常陸太田市
参考文献:文一総合出版『日本のクモ』


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2010年7月14日 (水)

ヤハズのようでヤハズでない。不思議なハエトリ

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尾瀬に咲いていたヒツジグサです。初めて野生のものを見ました。想像していたより小さな花です。午前中は咲いていなかったのに、午後になったらあちこちで花が開いていました。それもそのはず、未の刻(午後2時)頃に咲くのでヒツジグサの名前になったようですから。


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花の話は置いといて…

こちらは明らかにハエトリグモの仲間。Mendoza属(テナガハエトリグモ属)の一種のように思います。一見するとヤハズハエトリのオス幼体ですが、模様が微妙に違うような気がします。しかもここは尾瀬。単なるヤハズハエトリってことはないと思っちゃったりします。しか〜し、色彩変異や個体差が恒例の蜘蛛の世界。ありえますよね、単なるヤハズハエトリのちょびっと変異ってことが。


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そうは思いつつも「やっぱりどこか違う」と納得しない自分。とくに頭胸部の模様が違うような気がします。

私の持っている図鑑には掲載されていませんが、あの3万円以上する蜘蛛の図鑑になら名前が載っているかもしれません。そこらへんの本屋さんにおいてあるなら、ちょこっと立ち読みして確認してこられるのですが…。値段も値段ですし、ここは茨城の田舎ですし、そんな都合のいいことがあるわけありません。

(ひょっとして、その図鑑にはオゼヤハズハエトリなんていうのが記載されていたりして…)


撮影:2010.7.12/群馬県片品村
参考文献:文一総合出版『日本のクモ』


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2010年7月13日 (火)

尾瀬にウスリー?

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久々というか、一か月ぶりに尾瀬に行ってきました。もちろん仕事です。


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しか〜し、仕事と言いながらも蜘蛛探しは忘れていません。今回もちゃっかり撮ってきちゃいました。えへへへ。

ニッコウキスゲが満開に近かったです。ほかにも、ヒオウギアヤメやトキソウ、サワラン、モウセンゴケ、ヒツジグサ、ミツガシワなどが見られました。あと、綿毛を飛ばしているワタスゲ。そう言えば、タテヤマリンドウがまだ咲いていましたね〜


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まずはこちら。こりゃ、ただならぬハエトリグモです。今まで一度も見たことがありません。ニッコウキスゲの花びらでちょこまかしている小さな黒い粒(たぶんメスだと思います)。それをぼんやり眺めていたら「…そういやぁ図鑑に載っていたな」と、古い記憶が私に語りかけてきました。

家に帰って確かめてみると、ウスリーハエトリにそっくりです。観察拠点が茨城南部なので「まず見ることはないだろう」と判断して積極的に覚えなかった種です。まさか、こんなところで出会うとは「縁は異なもの味なもの」です。感動がじわじわと押し寄せてきました。ヤッホー


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ウスリーハエトリは蜘蛛屋さんのなかでも話題のハエトリです。何が話題かって? 私はよく知らないんですが…

なんでも、よく似た蜘蛛にチビクロハエトリっていうのがいるんですが、じつはウスリーハエトリとチビクロハエトリは同一種なのではないか云々……確か、こんな話題だったような気がします。ウスリーハエトリにしろチビクロハエトリにしろ、とにかく今回の蜘蛛は初めて見るもの。まずは発見を喜びましょう。

まだまだ見ていない蜘蛛はたくさんいます。今回のように、想像もしなかった場所で突然出会うことがあるやも知れません。蜘蛛探しの奥は深く、しかも感動に満ちています。これからもがんばるぞ〜


●ウスリーハエトリ/Heliophanus ussuricus
ハエトリグモ科ヒナタハエトリグモ属

撮影:2010.7.12/群馬県片品村
参考文献:文一総合出版『日本のクモ』

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2010年7月 8日 (木)

人面グモ登場

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高清水公園(南会津町)のカクマ谷地のつづきです。

カクマ谷地の縁にはタニウツギがいっぱい咲いていました。その近くで見つけたのが人面グモです。画像を見て驚かないでください。では、いきます!


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まるで、ブリッジをするトーテムポールです。どうです、人の顔にも見えませんか?

(オレにはブラックウルトラマンに見える…という人も多いかも)

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はい、冗談はさておき。全体像はこちらです。たぶんヨツボシワシグモだと思います。ホシジロトンビグモにも似ていますが、なんとなくヨツボシワシグモのような気がします。間違っていたらゴメンなさい。


●ヨツボシワシグモ/Kishidaia albimaculata
ワシグモ科ブチワシグモ属

撮影:2010.6.20/福島県南会津町
参考文献:文一総合出版『日本のクモ』

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2010年7月 7日 (水)

キザハシオニグモは高いところに住んでいる?

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高清水公園(南会津町)のカクマ谷地のつづきです。

カクマ谷地の縁の方にガマのような植物がまとまって生えていました。そのうちの一本に蜘蛛が隠れているのを発見。一枚写真を撮ってからよく観察しようと思っていたのですが、撮影したらポロッと落ちてしまい行方不明に。

(写真はレンゲツツジとワタスゲです)


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この一枚しか手がかりはないのですが、キザハシオニグモと判断しました(間違っているかも)。久しぶりの対面です。茨城県南部では数回しか見たことがありません。それほど珍しい種類ではないと思いますが、なぜか出会いが少ない蜘蛛です。

印象としては平地にはいない蜘蛛という感じでしょうか。今までは標高300メートル以上のところで見かけています。なので、ちょっと高めの場所が好みの蜘蛛なのかもしれません。


●キザハシオニグモ/Araneus abscissus
コガネグモ科オニグモ属

撮影:2010.6.20/福島県南会津町
参考文献:文一総合出版『日本のクモ』

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2010年7月 6日 (火)

角がある蜘蛛

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南会津町(旧南郷村)でヒメサユリを見たついでに、すぐ近くの高清水公園に寄ってきました。そこにはカクマ谷地という小さな湿原があります。6月中旬だったこともあり、ニッコウキスゲやワタスゲ、レンゲツツジが満開でした。


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カクマ谷地で見たのはアズマキシダグモ。この蜘蛛はいろんな色彩変異があることで有名です。今回見つけたのはキスジ型に該当する模様のようです。

アズマキシダグモの顔のあたりを見ると、頭のてっぺんに角のような毛の束が見えます。先端が尖っていて刺のようにも見えるかっこいい装飾です。山や林、草むらで走る蜘蛛を見つけたとき、この毛があったらアズマキシダグモだと思うようにしています。

●アズマキシダグモ/Pisaura lama
キシダグモ科キシダグモ属

撮影:2010.6.20/福島県南会津町
参考文献:文一総合出版『日本のクモ』

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2010年7月 4日 (日)

漢字を読んでみよう

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6月の中旬に福島県の南会津町(旧南郷村)にヒメサユリを見に行ってきました。もちろん、蜘蛛も見てきました。


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ヒメサユリの群生地にやたら目につく黒い物体。ボディビルダーのようにポーズをつけて強烈なアピールをしていたのが写真の蜘蛛。フノジグモのようです。茨城県で蜘蛛を観察していて一度も見たことがありません。


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漢字の“不”の字の模様が背中にあるのでこの名前がついたようです。言われてみればそんな気もします。

この蜘蛛は黒以外の部分が黄色ですが、図鑑には赤色の蜘蛛も載っていました。この色の違いは何を意味するのでしょう? 生息する場所にある花の色に対応しているのでしょうか、それとも紫外線量とかで変わるのでしょうか。謎です。


●フノジグモ/Synaema globosum
カニグモ科フノジグモ属

撮影:2010.6.20/福島県南会津町
参考文献:文一総合出版『日本のクモ』

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2010年7月 3日 (土)

山にはハンモックがいっぱい

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6月の中旬に奥日光の千手が浜にクリンソウを見に行きました。もちろん、蜘蛛も見てきました。


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千手が浜から竜頭ノ滝まで山道をハイキング。その途中にはご覧の蜘蛛がたくさんいました。


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模様から判断するとハンモックサラグモのようです。図鑑によれば、本州では700メートル以上の山地に生息する蜘蛛とのこと。なるほど、茨城では見たことがないはずです。お初の蜘蛛なのでちょっと嬉しかったです。

体長はメスが3.5〜4ミリ、オスは2.8〜3ミリ。やや小さな蜘蛛の部類だと思います。名前は、ハンモックを吊るしたような皿網を張ることからつけられたようです。


●ハンモックサラグモ/Neolinyphia angulifera
サラグモ科ツリサラグモ属


撮影:2010.6.17/栃木県日光市
参考文献:文一総合出版『日本のクモ』

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