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2010年6月

2010年6月30日 (水)

食べ物で体色が変わる蜘蛛

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リュックに蜘蛛がついていました。緑色のきれいな蜘蛛です。姿からするとヒメグモ科の蜘蛛らしい雰囲気。はてさて、こんな色の蜘蛛いったけかなぁ?

図鑑で調べるも見つかりません。ヒメグモじゃないのかなぁ…


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そういえば、ホシミドリヒメグモのように食べたもの(餌となった昆虫の種類)で体の色が変わる蜘蛛がいることを思い出しました。ひょっとすると、写真の蜘蛛は本来違う色の蜘蛛なのかもしれません。なので、体色を無視して図鑑を再検索。


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どうやらタカユヒメグモのような気がしてきました。図鑑に載っている写真はオレンジ色に白の模様です。腹部後方には黒い斑点が4つあります。色は違いますが、模様や斑紋は合致。たぶん、そうではないかと勝手な思い込み…

「えーい、タカユヒメグモにしちゃえ!」

今回報告した蜘蛛は栃木県日光市で撮ったものです。クリンソウで有名な千手ケ浜を歩いていたときにリュックにくっついたようです。それにしてもきれいな緑色です。よく見かけるウロコアシナガグモの緑とは違います。ちょっと深めで濃い緑。草餅を思い出してしまいました。

タカユヒメグモは初めて見る蜘蛛です。茨城県南部には生息していません。図鑑によれば、本州では標高600メートル以上の山地に生息する蜘蛛だそうです。出かけた先で蜘蛛探しをするのはなかなか楽しいです。普段見られない蜘蛛が見られますから…


●タカユヒメグモ/Takayus takayensis
ヒメグモ科タカユヒメグモ属

撮影:2010.6.29/栃木県日光市
参考文献:文一総合出版『日本のクモ』

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2010年6月27日 (日)

白い脚のスプリンター

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判別しにくいコモリグモの名を突き止めるなら、オスが徘徊するこの季節が最適です。とくに見分けにくいハリゲコモリグモの仲間ならなおさらのことです。この仲間はオスの模様が種によって違うので、オスを見つけさえすればなんとかなります。

ハリゲコモリグモは茨城県南にわんさかいます。でも、ヤマハリゲコモリグモやイナダハリゲコモリグモと似ているので、ハリゲコモリグモと断定できないことがほとんどです。


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ハリゲコモリグモのオスは、ご覧のように第一脚が白っぽいです。さらに、触肢の折れ曲がる部分(関節のようになっているところ)に白色の毛があります。


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横から見るとよくわかると思います。この特徴を頼りにすると、ハリゲコモリグモは比較的簡単に判断できると思います。このように、オスがハリゲコモリグモとわかれば、近くにいるメスも同種である可能性が非常に高くなります。自分の場合、近くにいるメスはハリゲコモリグモと思い込むことにしています。

一歩間違えると危険な同定方法ですが、ときには危険を顧みずに冒険することも必要ではないでしょうか〜 (これは素人なのでできる技です)

●ハリゲコモリグモ/Pardosa laura
コモリグモ科オオアシコモリグモ属

撮影:2010.6.9/石岡市
参考文献:文一総合出版『日本のクモ』

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2010年6月24日 (木)

精緻な生きもの

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細長い脚を持つ生きものは一種の気味悪さを感じさせる傾向があります。ゲジゲジにしろザトウムシにしろ、このアシナガグモにしても、同じような印象を与えるのではないでしょうか。

しか〜し、気味悪さに戸惑ってはいけません。じっと目を据えて観察すれば、精緻な脚の構造や不思議な生態に興味がわいてくるはずです。今一歩、いや半歩、蜘蛛に近づいていただきたいところです。そうすればきっと蜘蛛の魅力を感じていただけるのではないでしょうか。

蜘蛛と言うと獲物を消化液で溶かして吸い尽くす吸血鬼的なイメージがあります。でも、よ〜く考えてみてください。これってかなりスマートな摂食法ではないでしょうか。それに比べて肉食動物たちときたら、食べ物にそのままかぶりつく大胆な摂食法です(人間は調理などしますけど)。クモの生態を見直してみると、つくづく知性的で上品な生きものだと思います。


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さて、話が冒頭から脱線しました。写真の蜘蛛はコシロカネグモです。一枚目がメスで二枚目がオスです。どちらも成体で、オスはメスと交接しようと思案を重ねているところでした。

蜘蛛は成体になったオスとメスがまったく違う模様や色だったりする種類が多いです。コシロカネグモも例外ではありません。姿が異なるオスとメスを同一種と識別できるようになると、蜘蛛観察がグンと楽しくなります。

いや、別に無理にお誘いしているわけではありませんよ、蜘蛛の世界に。ただ、「ちょっと楽しいよ」とお伝えしただけですので、あまり深く考えないでください。


●コシロカネグモ/Leucauge subblanda
アシナガグモ科シロカネグモ属

撮影:2010.6.9/石岡市
参考文献:文一総合出版『日本のクモ』

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2010年6月22日 (火)

草の陰にエビグモあり

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エビグモ科の蜘蛛の幼体です。たぶんアサヒエビグモだと思います。

茨城県南部の雑木林を歩いていて最もよく見るエビグモが、アサヒエビグモ、キンイロエビグモ、キハダエビグモです。この三種に続くのがワカバグモ、シャコグモでしょうか。

草の上でよく目にするのが、このアサヒエビグモとキンイロエビグモです。一方のキハダエビグモは木肌(キハダ)の名前の通り、樹皮上で目にすることがほとんどです。ということは、アサヒエビグモ(キンイロエビグモ含む)とキハダエビグモは、明らかに餌としているものが違うことが想像できます(餌を捕らえているところをあまり目撃したことがないので断言はできませんけど…)。

今後は捕食の対象についても注意しながら見ていきたいと思っています。

「どうせすぐ忘れちゃうんでしょ?」

はい。おっしゃる通りかも知れません…


●アサヒエビグモ/Philodromus subaureolus
エビグモ科エビグモ属

撮影:2010.6.9/石岡市
参考文献:文一総合出版『日本のクモ』

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2010年6月21日 (月)

ヴェールに包まれた蜘蛛

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蜘蛛は脱皮のときに仮住居を造ることがあります。ヴェールのように見えるのは、その仮住居です。

脱皮用の住居はすべての蜘蛛が造るわけではありません。カニグモやアシナガグモの一部の種類などは仮住居を造らずに、大胆にもぶら下がりながら脱皮しているシーンをよく見かけます。仮住居をよく見かけるのはハエトリグモとフクログモの仲間でしょうか。


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さて、写真の蜘蛛はフクログモ科の蜘蛛に違いないでしょう。カバキコマチグモ、あるいはヤマトコマチグモのどちらかだと思います。触肢がふくらみかけているのでオスのようです。


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腹部裏です。何の模様もありません。うぐいす色がかった茶色と言いましょうか、微妙な色です。


撮影:2010.6.9/石岡市
参考文献:文一総合出版『日本のクモ』

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2010年6月14日 (月)

メロンパンのかけら

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メロンパンのような蜘蛛と言えば、サツマノミダマシとワキグロサツマノミダマシです。両者は腹部側面の色で見分けることができます。側面の半分より下が黒褐色あるいは濃い茶色だったらワキグロサツマノミダマシ。


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でも、こんな体長2〜3ミリの小さな幼体のときは見分けられるのでしょうか? じっと覗き込んでみたのですがよくわかりませんでした。とにかく両者いずれかの幼体であることは間違いありません。


撮影:2010.6.9/石岡市
参考文献:文一総合出版『日本のクモ』

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2010年6月11日 (金)

番号16、サルファー君

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イオウイロハシリグモの幼体です。光が透けてきれいです。

硫黄色がどのような色か正確に認識していませんが、この蜘蛛の色はかなり近いのではないでしょうか。

横顔などちょっとイケメンのように思うのですけど、きっと賛同はいただけないでしょうね…


●イオウイロハシリグモ/Dolomedes sulfureus
キシダグモ科ハシリグモ属

撮影:2010.6.9/石岡市
参考文献:文一総合出版『日本のクモ』

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2010年6月 9日 (水)

尾瀬の蜘蛛 再びコモリグモ

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3日前に再び尾瀬に行ってきました。そのとき尾瀬ケ原で見つけたのが上の写真のコモリグモです。

どこにいるのか?

周囲のものにとけ込んでいるので、ちょっと見ただけでは気づかないでしょう。


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完全な保護色です。尾瀬の環境に見事に同化していると言っていいのではないでしょうか。


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パッと見た感じではカラコモリグモのオスに似ていなくもありませんが、よく見ると明らかに違います。とにかく、茨城の県南部では似たものがいません。そりゃそうですね、尾瀬に棲んでいる蜘蛛ですから…

手持ちの図鑑では名前を突き止めることができませんでした。今後、三万数千円の蜘蛛の図鑑を買ったら改めて調べてみることにします。


撮影:2010.6.6/群馬県片品村・尾瀬
参考文献:文一総合出版『日本のクモ』

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2010年6月 3日 (木)

尾瀬の蜘蛛 アシナガグモ編

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前回、尾瀬のコモリグモを報告しました。今回はアシナガグモです。

プラスチックケースに入れたままの撮影なので、わかりにくいかもしれませんが、とてもきれいなアシナガグモでした。腹部表面に薄い赤紫(薄い茶色にも見える)の帯があり、その中央に黄色い線が入っています。

少なくとも茨城県南部では一度も見たことがない蜘蛛です。図鑑で調べてみましたが、同じ模様のアシナガグモはいませんでした。きっと図鑑に掲載されていない種なのだと思います。

とにかく、尾瀬には平地で見ることのできない蜘蛛が多いようです。

今回写真には撮りませんでしたが、ウズグモの仲間が数多くいました。通常だと網に渦巻き状の隠れ帯を造っている場合がほとんどですが、私が確認した数匹のウズグモは隠れ帯を造っていませんでした。


撮影:2010.5.29/群馬県片品村・尾瀬
参考文献:文一総合出版『日本のクモ』

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