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2009年11月12日 (木)

催眠術師マルピッサ

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ゆらゆらと糸にぶら下がりながらオオハエトリが交接していました。そっと手のひらに載せると、ご覧のように二匹は離ればなれに。


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メスは仰向けになった状態でピクリともしません。そのようすは、まるで催眠術にかかっているようでした。糸に揺られているうちに深い眠りに落ちてしまったのでしょうか?


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素っ気なく立ち去ろうとするオスでしたが、仰向けになったメスを通常の状態に戻すと不思議な行動をとり始めました。第一脚を小刻みに上下させながら、メスの周囲でダンスを踊り始めたのです。


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メスが拒絶していないことを確認したらしく、さささっとメスに近づきました。このとき、メスはまだ催眠状態で何の抵抗もしません。すべておまかせ状態です。


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オスはおもむろにメスをひっくり返します。柔道でいう上四方固めへ持ち込むような段取り。このオス、かなり寝技は得意なようです。決まり手は上四方と横四方の中間、崩れ上四方固めと言えそうな技でした。


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パンパンに膨れた触肢がよく見えます。珍しい写真が撮れたので、この日はとても充実した気分でした。こんなドラマに出会えるとは、なんて幸運なんでしょう! コンパクトデジカメを持参していてホントよかった〜。

*マルピッサはオオハエトリグモ属の学名(ラテン語)です


●オオハエトリ/Marpissa milleri
ハエトリグモ科オオハエトリグモ属

撮影:2009.10.11/石岡市
参考文献:文一総合出版『日本のクモ』

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コメント

すごい衝撃映像ですね!!
ジョロウグモの交接すら見たことのない私は、ひたすら感心するばかりです。ダンス、見てみたいです。

昔、コクサグモのオスメスが接近していて、普段はトンネルに逃げるのに2匹とも堂々とトンネルの外にいたことがありました。
今考えるとあれは催眠術をかけてるところだったのでしょうね。

オオハエトリは今まで一度も見たことがありません。希少種でもないはずなのに、不思議です。シラヒゲハエトリはよくいるのですが・・・。

投稿: 夏子 | 2009年11月14日 (土) 00時03分

夏子さん、こんばんは。

ハエトリグモの仲間は交接の前にメスの近くでダンスを踊ることがよくあるという噂です。ダンスというより、一番前の脚を太鼓のバチのようにトントン叩くらしいです。そのリズムに催眠効果があるのか、媚薬的効果があるのかはわかりませんが…

オオハエトリは樹皮に似た迷彩服を着ているうえ、樹皮上にいることが多いので見つけにくいのかもしれません。スギやヒノキの多い林で注意深く観察すれば見つけられるかもしれませんよ。健闘を祈ります!

投稿: mushizuki | 2009年11月14日 (土) 18時25分

おおー、すごい!!
ハエトリグモの交接を初めて見ました。
最後の写真の薄い膜の風船みたいなものは、精子を入れる袋みたいなものですか??

それにしても、オスはメスの裏側をメスと認識できないのでしょうか。メスを表にした途端の豹変ぶり・・・ちょっとヒドイような気も。

投稿: むいむいのお時間 | 2009年11月17日 (火) 00時09分

むいむいのお時間さん、こんばんは。

あの半透明風船は、まさしく注入ポンプでしょう。高倍率のルーペで作業のようすを見てみたかったのですが、せっかくのシャッターチャンスを失いそうだったので静かに見守りました。

裏返しの件は今回一度だけのサンプルなので断定できません。次に同じようなケースに巡り会ったら、ぜひもう一度試してみたいです。

投稿: mushizuki | 2009年11月18日 (水) 23時57分

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