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2007年11月

2007年11月29日 (木)

オナガグモとホシジロトンビグモ、そして壊れたカメラ

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つくば市の郊外に「ゆかりの森」という公園のような施設があります。一度はここで蜘蛛を観察してみたいと思ったので、仕事の途中でちょっとだけ寄ってみました。この日は真冬並みの寒さで、蜘蛛を観察するような天気ではなかったのですが、いつ来られるかわからないので観察を強行。そのことが原因ではありませんが、後に悲しい出来事に見舞われることになります…。


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まず見つけたのはオナガグモです。いつ見ても奇妙な蜘蛛です。蜘蛛を襲う蜘蛛ですが、この細長い体を見ると「本当に蜘蛛なのか?」と疑わしくなります。


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オナガグモには緑と茶色のタイプがいます。どちらかというと緑の方が多いと思いますが、この蜘蛛はかなり茶色がかっていました。


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寒さに耐えながら雑木林を歩くと松の木が何本もあるところに出ました。じっくりと樹皮上を探し、やっと一匹の蜘蛛を見つけました。ホシジロトンビグモのようです。このとき、撮影中にカメラが不調に…。シャッターを切っても画像が記録されません。数日前からおかしかったのですが、このとき完全に故障してしまいました。

というわけで、クモ探検隊の活動はしばらくお休みとなります。カメラ屋さんの話だと点検と修理には3週間以上かかるそうなので、活動再開は年末になりそうです。家にはほかに2台コンパクトデジカメがあるのですが、ひとつはシャッターが切れるまでに5秒ほどかかる半故障品(しかもピントが合わない)で、残る一台は接写に向かない機種です。観察報告はできそうもないので、過去に撮ったものを載せるか、完全にブログをお休みするしかなさそうです。


●オナガグモ/Ariamnes cylindrogaster
ヒメグモ科オナガグモ属

●ホシジロトンビグモ/Sergiolus hosiziro
ワシグモ科ブチトンビグモ属

参考文献:文一総合出版『日本のクモ』
(2007.11.22/つくば市)

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2007年11月28日 (水)

田にキクヅキ、畦にウヅキ

前回のつづき…


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田んぼの方に目を移してみました。すでに乾燥して人が入れるくらいの固さになっていて、刈り取ったあとの藁がそのまま残されています。


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そこにいるのはたくさんのキクヅキコモリグモです。なかにはウヅキコモリグモの姿もありました。


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こちらはやや黒っぽいキクヅキコモリグモです。上の蜘蛛より一回り以上小さい個体でした。今回撮影して思ったのは、ウヅキコモリグモは動きがかなり速いということです。しかも敏感で、一定の距離を越えて近づくとあっという間に逃げてしまいます。一方、キクヅキコモリグモは逃げる途中に必ずひと休みするので、そっと近づいて何とか写真を撮ることができました。


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田んぼではほかの蜘蛛が見つけられそうになかったので、近くの竹林とクリ畑がある場所に移動しました。ここは薄暗くて、蜘蛛がいてもなかなか見つけられそうにありませんでした。見つけたのは小さな蜘蛛ばかり。アシナガグモの仲間と思われる幼体ばかりです。コシロカネグモかオオシロカネグモの幼体のような気がします。


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小さな幼体ばかりでがっかりしているところ、やや大きな蜘蛛を見つけました。名前は断定できませんが、腹部の模様がカレハヒメグモに似ています。触肢を見ると膨らみかけているようなので、オスの亜成体のようでした。

この日は寒く、風も強かったので、これ以上の観察は時間の無駄かもしれないと判断し、撤収することにしました。以上で小美玉市(旧美野里町)寺崎からの報告を終わります。


●キクヅキコモリグモ/Pardosa pseudoannulata
コモリグモ科オオアシコモリグモ属

参考文献:文一総合出版『日本のクモ』
(2007.11.21/小美玉市・旧美野里町)

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2007年11月27日 (火)

蜘蛛が少なくなりました

小美玉市(旧美野里町)にある新地池周辺の報告をします。


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これが新地池のようすです。水量はかなり少ない状態でした。手前には水草が生えていていい雰囲気です。この日は風が強く気温も低かったので、虫も蜘蛛も活動的ではなさそうでした。


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池の周りをざっと見ましたが、蜘蛛らしい蜘蛛はジョロウグモ一匹。しかもかなり動きが鈍く、余命数日といった感じでした。そこで、池の反対側の畦を歩くことにしました。


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雑木林と接する畦を歩いていて見かけたのはバラギヒメグモばかり。今日に限らず、ここ数日かなり目にしています。


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こちらは体長3ミリ足らずの小さなサラグモです。名前は断定できませんが、クロケシグモのような気がします。葉の裏側にとても小さな網を張っていました。


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ほかに見つけたのは写真の網です。


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網の主はナカムラオニグモでした。


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畦の周りを見ると、秋も終わりという感じです。すっかりセピア色になった風景のなかで、カラスウリだけが鮮やかな色を発していました。つづきは次回へ…


●バラギヒメグモ/Takayus chikunii
ヒメグモ科タカユヒメグモ属

●ナカムラオニグモ/Larinioides cornutus
コガネグモ科ナカムラオニグモ属


参考文献:文一総合出版『日本のクモ』
(2007.11.21/小美玉市・旧美野里町)

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2007年11月26日 (月)

この時期に新しい網を張るコクサグモ

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どう見ても新しい網です。主はコクサグモでした。この時期のコクサグモの網は、カサカサで粘着力が薄れたようになっているのが普通です。ところが、写真のクサグモの網は柔らかくて新鮮そのもの。いったいどういう風の吹き回しなのでしょう。ただし、建設途中なのか、糸の数はだいぶまばらでした。


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全体的に薄茶色で、一般的な個体よりも明るい色をしているような気がします。なかにはこんな個体もいるのですね。


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コクサグモがいた数センチ下の葉の裏にはバラギヒメグモの幼体がいました。この蜘蛛はなぜかこの時期に多く目にします。

以上で11月16日に小美玉市(旧美野里町)で撮った蜘蛛の報告を終わります。


●コクサグモ/Allagelena opulenta
タナグモ科コクサグモ属

●バラギヒメグモ/Takayus chikunii
ヒメグモ科タカユヒメグモ属


参考文献:文一総合出版『日本のクモ』
(2007.11.16/小美玉市・旧美野里町)

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2007年11月25日 (日)

サラグモは小さいから撮りにくい

前回からのつづき…

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草間にいるサラグモを捕まえて撮影しました。何サラグモでしょう? 自分では断定できないので、お世話になっている「画像掲示板」で聞いてみました。やはり画像だけでは断定できないようですが、ヘリジロサラグモのオス亜成体らしいことがわかりました。


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こちらもヘリジロサラグモのメスようです。色が全然違うので別種かと思いました。想像以上に色彩変異が多い蜘蛛のようです。


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しかし、サラグモは普通の写真が撮りにくい蜘蛛です。網にぶら下がるように占座しているので、いつもお腹を上に向けています。背中側を撮ろうとすると、這いつくばらなければならないほどです。草間に網を張るサラグモですと、地面から10センチほどしか空間がありません。ファインダーを覗き込む一眼レフだと、カメラ本体を差し込むだけでめいっぱい。あとはオートフォーカスで適当にピントを合わせて撮るしかありません。しかし、蜘蛛にピントを合わせることは奇跡に近いです。そういうわけで、ご覧のような撮り方になってしまいました。

次回へつづきます…

●ヘリジロサラグモ/Neriene oidedicata
サラグモ科コウシサラグモ属

参考サイト:クモ蟲画像掲示板(byきどばんさん)
http://xbbs.knacks.biz/kjrshoji
参考文献:文一総合出版『日本のクモ』
(2007.11.16/小美玉市・旧美野里町)

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2007年11月24日 (土)

今日こそキクメハシリグモに!

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いつも行こうと思っていながら、なかなか行けなかった場所に向かいました。ここはキクメハシリグモがたくさんいる水路があるところです。その水路は手前の水田と奥の雑木林の境にあります。到着するなり早足でその場所へ向かいます。しかし、キクメハシリグモの姿はありませんでした。かなり寒くなったからでしょうか、蜘蛛たちはどこかに隠れているようです。


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仕方ないので、ほかの蜘蛛を探すことにしました。まず見つけたのは葉陰に隠れているオオシロカネグモです。


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まだナガコガネグモがいました。水田の周辺や雑草が伸び放題の休耕田を見て回りましたが、ナガコガネグモはこの一匹だけでした。

あまりにも蜘蛛が少ないので、視点を変えて雑草間に網を張っているサラグモを撮ることに…。このつづきは次回へ。


●オオシロカネグモ/Leucauge magnifica
アシナガグモ科シロカネグモ属

●ナガコガネグモ/Argiope bruennichii
コガネグモ科コガネグモ属

参考文献:文一総合出版『日本のクモ』
(2007.11.16/小美玉市・旧美野里町)

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2007年11月23日 (金)

スギの木にコカニグモ

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わずか15分ほどの蜘蛛観察でした。JR常磐線・ひたち野うしく駅西側に広がる住宅地の一角に公園があったので、ちょっと立ち寄ってみました。池があったりしてなんとなくいい雰囲気です。しかし、新しく造成された公園のようで、蜘蛛たちにはあまり住み心地がいい公園ではなさそうでした。やはり住宅地の真ん中にぽつんとある環境だと、蜘蛛観察には向いていないのかもしれません。


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雑木林のなかにスギの木があります。樹皮を見てみたら黒くて小さな蜘蛛がいました。コカニグモです。久しぶりに会いました。いつもならマツの木で見ることが多いのですが、今回の件でスギの木にもいることがわかりました。


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池の周りを見てみましたが、縁に生えている草に蜘蛛の巣は張られていません。ちょっとがっかりです。仕方なくふらふら歩いていると、細いコナラの木にジョロウグモがいました。十数ミリの小さなメスでしたが、しっかり卵を産んでいました。


●コカニグモ/Coriarachne fulvipes
カニグモ科コカニグモ属

●ジョロウグモ/Nephila clavata
ジョロウグモ科ジョロウグモ属


参考文献:文一総合出版『日本のクモ』
(2007.11.15/牛久市)

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2007年11月22日 (木)

番号がついている蜘蛛?

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普通のカラスゴミグモです。特別珍しい蜘蛛ではありませんが、ルーペでまじまじと見ていたら、お尻のところに番号が書いてありました。白いゴミが着いているのだと思うのですが、数字の9に見えて仕方がありません。


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気のせいだとは思いますが、「9」に見えませんか?


●カラスゴミグモ/Cyclosa atrata
コガネグモ科ゴミグモ属


参考文献:文一総合出版『日本のクモ』
(2007.11.14/石岡市)

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2007年11月21日 (水)

こんなところにもメガネドヨウグモがいました

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石岡市にある「龍神の森」の一角に、伐採された木が積まれたところがあります。ここは蜘蛛天国で、たくさんの種類の蜘蛛が網を張っています。この季節だと、ゴミグモやオオシロカネグモ(幼体)、サラグモ(種は不明)、ヤミイロオニグモなどが多いです。そのなかに混じって、ちょっと変わった蜘蛛を見かけました。


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よく見るとメガネドヨウグモのようです。図鑑には「平地から山地にまで生息する蜘蛛で、ドヨウグモ類のなかでは最も一般的な種類」と書いてあります。じつは、この森で見たのは初めてなので、ちょっとした発見でした。


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ピントが合っていませんが、メガネドヨウグモの網です。


●メガネドヨウグモ/Metleucauge yunohamensis
アシナガグモ科オオドヨウグモ属

参考文献:文一総合出版『日本のクモ』
(2007.11.14/石岡市)

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2007年11月20日 (火)

小さいオニグモ、ヤミイロオニグモ

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ヤミイロオニグモの網です。枝と枝の間に小振りな網が張られています。蜘蛛自体も体長6〜7ミリと小さいです。オニグモという名前がつくと大きな蜘蛛を想像しがちですが、なかには10ミリに満たない種類もかなりいます。


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このヤミイロオニグモはかなり数多く生息する蜘蛛なのでしょうか? 写真を撮影した森ではよく見かけます。


●ヤミイロオニグモ/Neoscona fuscocolorata
コガネグモ科ヒメオニグモ属

参考文献:文一総合出版『日本のクモ』
(2007.11.14/石岡市)

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2007年11月19日 (月)

オニグモに似ている? ヤエンオニグモ

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オニグモとはちょっと色が違うので見分けられるのですが、色が同じだったらわからないでしょう。それくらい良く似ていると思います。同じオニグモ属なので当然かもしれません。


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ヤエンオニグモの網です。中央部に一本の白い帯があります。これは隠れ帯と呼ばれるもので、蜘蛛の種類によってX型、渦巻き型などがあります。もちろん隠れ帯を作らないものもいます。オニグモ属の蜘蛛はほとんど隠れ帯を作りませんが、このヤエンオニグモは例外のようです。


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ヤエンは野猿のことだそうで、発見地の野猿峠(東京都八王子市)に因んでつけられたそうです。


●ヤエンオニグモ/Araneus macacus
コガネグモ科オニグモ属

参考文献:文一総合出版『日本のクモ』
(2007.11.14/石岡市)

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2007年11月18日 (日)

虹色の美しい糸

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蜘蛛は天才だと思います。定規もコンパスも分度器も使わずに、こんなに正確に網を張れるのですから…。それに、陽の光に照らされてキラキラと輝く網は、何と美しいことでしょう。

写真の網は1〜2ミリほどの子蜘蛛が作ったものです。気になる蜘蛛の正体ですが、小さくてわかりません。たぶんオオシロカネグモの幼体だと思います。


参考文献:文一総合出版『日本のクモ』
(2007.11.14/石岡市)

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2007年11月17日 (土)

またオウギグモに会いました

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前回書いた龍神山から数百メートル離れた場所に「龍神の森」という公園があります。この森は、いわば山の麓にある雑木林です。今回の観察地はこの森です。


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前回報告したオウギグモがまたいました。初めて見たと感激したのも束の間、二日後に再会となったわけです。もしかすると、この季節にはよく見られる蜘蛛なのかもしれません。


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前回は網を撮り忘れたので、ちょっと離れた場所から写してみました。陽の光の差し込む方向を考えながら糸がよく見えるように撮ったつもりですが、ここら辺が限界です。網が扇形をしているのがわかるでしょうか。


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こちらはマネキグモです。オウギグモがいた場所から数十メートル離れたところにいました。マネキグモは眼が4つの蜘蛛です。普通、蜘蛛は8つの眼を持っていますが、マネキグモは例外のようです。


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オウギグモもマネキグモもウズグモ科の蜘蛛です。この日は二種を同じ場所で一度に見られました。普段はそんなに目にすることのない蜘蛛なので、ちょっと得した気分です。


●オウギグモ/Hyptiotes affinis
ウズグモ科オウギグモ属

●マネキグモ/Miagrammopes orientalis
ウズグモ科マネキグモ属

参考文献:文一総合出版『日本のクモ』
(2007.11.14/石岡市)

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2007年11月16日 (金)

はじめまして、オウギグモさん

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地元の観察地はいつでも行けると思い、ついつい後回しになってしまいます。この日は久々に石岡市の「龍神山」に出かけました。誤解がないように前もって言います。ここは山という名前はついていますが、じつは丘のような場所です。きっと、標高にしたら数十メートルくらいでしょう。


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この山で初めて見た蜘蛛です。見つけたときはマネキグモかと思いましたが、腹部が異様に縦長なので「変だな?」と感じました。図鑑で調べたらオウギグモでした。


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じつに変な蜘蛛です。ころころ転がりそうな体で不安定な感じがします。しかし、物につかまって一定の体勢を保つには重心がしっかりとして安定するのかもしれません。とくに、網の端で待機するときにはとても都合がいいのでしょう。


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よく見ればウズグモの体型に似ています。それもそのはず、この蜘蛛はウズグモの仲間です。ただし、眼の配置は独特でウズグモとはちょっと違うみたいです。


●オウギグモ/Hyptiotes affinis
ウズグモ科オウギグモ属

参考文献:文一総合出版『日本のクモ』
(2007.11.12/石岡市)

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2007年11月15日 (木)

雨の日のヒラタグモ

取手(とりで)で仕事があったので、ついでに蜘蛛の観察をしてきました。

取手市は茨城の最南端にあります。利根川をはさんだ向こう岸は千葉県です。JR常磐線で、茨城に入って最初の駅が取手駅になります。

自分は車で行きましたが、渋滞が予想されるので2時間ちょっとの余裕を見て家を出ました。取手までは約50キロありますが、予想に反し1時間ちょっとで到着。土曜日だったので通勤の人が少なかったことが要因かもしれません。


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仕事開始まで1時間くらい時間があったので、もちろん蜘蛛を見に行くことに…。しかし、土砂降りの雨。さすがにためらいはありましたが、これも何かの縁だろうと傘をさしながら雨のなかを歩き出しました。


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向かった先は、地元で「とげ抜き地蔵」の愛称で親しまれているお地蔵さんがあるところです。


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土砂降りの雨のとき、蜘蛛たちはどこにいるのか…と目を凝らして探しましたが見つかりません。やっぱり網を見つけられないと蜘蛛探しは難しいようです。徘徊性の蜘蛛もどこにいるのかさっぱり見当がつきませんでした。唯一見つけたのは木の根元の方で雨をしのいでいるジョロウグモのメスだけでした。


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仕方がないので樹皮上を探すことにしました。見つけたのは樹皮裏にあった蜘蛛の住居らしきものです。


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出てきたのはヒラタグモです。なかからは数匹の子蜘蛛たちも這い出してきました。かわいい子蜘蛛です。体長は1ミリくらいでしょうか。ほとんどの子蜘蛛はすでに旅立ったようすでした。


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ヒラタグモを見るたびに「変わった姿をした蜘蛛だなぁ」と思います。特に頭胸部の形がほかの蜘蛛と違うような気がします。その名の通り、平たい体型に特徴がある蜘蛛です。


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お地蔵さんの周りにはたくさんの木がありますが、その樹皮のあちこちにヒラタグモの網が見られました。


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話は変わって、お地蔵さんの件です。とげが刺さったときにこの「とげ抜き地蔵」にお参りすると、いつのまにか取れるという話を聞いたことがあります。今でもその信仰はつづいているようで、境内にはお参りに来た人たちがお茶を飲んで閑談する席も設けられていました。


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一方では、このお地蔵さんにお願いすると病気の痛みや苦しみを知ることなく、ぽっくりと死ぬことができるという話も聞いたことがあります。この話を聞いて、昔の人の死生観や人生観を良く表していると思ったものです。10年以上も前に取手周辺のことについて少し調べたことがありました。自分が地域の民俗について興味を持つようになったのは、このことに端を発しているのかもしれません。


●ヒラタグモ/Uroctea compactilis
ヒラタグモ科ヒラタグモ属

参考文献:文一総合出版『日本のクモ』
(2007.11.10/取手市)

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2007年11月14日 (水)

極小のハエトリグモたち

前回のつづき…


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この岩場にはハエトリグモがたくさんいます。とくに春の初め頃にはヤマジハエトリがたくさんいました。では、晩秋のこの時期にはどんな蜘蛛がいるのかと思いながら、足下を見てみると…


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いました。体長4〜5ミリのじつにかわいらしいハエトリグモです。ヒトリコゲチャハエトリのようです。オスもメスもそろっています。メスは白に近い灰色ですが、オスは腹部に黒い斑があります。ときどきオス同士が接近すると、互いに前脚を振り上げて威嚇しながら相手の出方をうかがっていました。


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ヒトリコゲチャハエトリに混じって、別種の蜘蛛がいました。カタオカハエトリのメスかと思いましたが、触肢が膨らんでいるので違うようです。ということは、ネオンハエトリのオス亜成体ではないかと思います。本州全域に生息しているらしいのですが、今まで見たことがありませんでした。自分にとっては珍しい蜘蛛です。とても小さいので、いても気づかなかったのかもしれません。


*3回に分けて書いた石岡市からの報告は以上です。次回は取手市です。


●ヒトリコゲチャハエトリ/Sitticus abocator
ハエトリグモ科コゲチャハエトリグモ属

●ネオンハエトリ/Neon reticulatus
ハエトリグモ科ネオンハエトリグモ属

参考文献:文一総合出版『日本のクモ』
(2007.11.9/石岡市)

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2007年11月13日 (火)

岩場の陰にガケジグモあり

前回のつづき…


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市内の公園の一角に池があり、その岸にゴツゴツとした岩場があります。ここには意外にもたくさんの蜘蛛が住んでいます。春頃にこの場所でヤマトガケジグモを見つけました。今回も見つかるかと思い、この岩場に足を踏み入れてみました。


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岩場の陰に木の葉が丸まって落ちています。蜘蛛の気配を感じて枯れ葉を取り出してみると、そこには黒い蜘蛛がいました。腹部に特徴のある白い線が入っています。ヤマトガケジグモのようです。


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体長は4〜5ミリで、まだ幼体のようです。なかには真っ黒な個体もいました。小さいうちは、岩場にある枯れ葉を利用して住まいをつくっているようです。

次回へつづく…

●ヤマトガケジグモ/Nurscia albofasciata
ヤマトガケジグモ科ヤマトガケジグモ属

参考文献:文一総合出版『日本のクモ』
(2007.11.9/石岡市)

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2007年11月12日 (月)

この穴の向こうには何がいるのだろう?

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よく見かける穴状の蜘蛛の住居があります。穴にはどんな蜘蛛が住んでいるのだろう…いつかは確かめてみたいと思っていたので、今回チャレンジしてみました。この穴は、桜の支え木のところにありました。


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穴の後の方をピンセットで押してみると、出てきたのはこんな蜘蛛でした。ヤチグモ科の蜘蛛のようです。メガネヤチグモのような感じがしますが、自信はありません。


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「この山の向こうには何があるのだろう?」という言い回しはよく耳にします。自分の場合は、「この穴の向こうにはどんな蜘蛛がいるのだろう?」になります。蜘蛛に興味を持つと、木の根元や岩場にある穴がとても気になります。


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これは岩場にあったヤチグモの住居です。なかにいた蜘蛛は上の写真の蜘蛛と同じでした。いろいろなところに住居を作る蜘蛛のようです。


*今回は、地元にある公園を観察。ちょうど園内では「菊まつり」が開催されていました。菊の写真も撮っておけばよかった…と後悔しています。蜘蛛に夢中になると、ほかのものが目に入らなくなります。このつづきは次回へ。

参考文献:文一総合出版『日本のクモ』
(2007.11.9/石岡市)

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2007年11月11日 (日)

ヌサオニグモを初めて見ました

前回のつづき、牛久市からの報告です。

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公園の裏の方には開けた空き地があります。そこには小さな池があって水鳥たちがいました。池の周りにはススキがたくさん生い茂っています。セイタカアワダチソウが咲き乱れていましたが、だいぶ色がくすんできていました。


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ちょうど野球場の裏あたりに木が生い茂っているところがあります。そこに小さな蜘蛛の網を見つけたので、観察してみることに…


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小さな蜘蛛です。幼体のようですが、今までに見たことのない模様です。きっとヌサオニグモの幼体でしょう。体長は4〜5ミリでした。


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最初はナカムラオニグモかと思いましたが色が違います。ヌサオニグモを見るのは初めてです。模様はかなりきっちりとしたギザギザで、かなりカッコいい蜘蛛でした。ぜひ親になった姿を見てみたいです。

以上で11月7日の牛久からの報告を終わります。


●ヌサオニグモ/Araneus ejusmodi
コガネグモ科オニグモ属

参考文献:文一総合出版『日本のクモ』
(2007.11.7/牛久市)

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2007年11月10日 (土)

牛久にビジョがいた!

前回のつづき、牛久市からの報告です。


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前回のカラスハエトリを探しているときに見つけました。ビジョオニグモです。ちょうど食事中でした。


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アオオニグモかとも思いましたが、背中を確認するとビジョオニグモの方でした。


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じつは、背中の模様を確認しなくても両者は見分けられることに気づきました。脚に黒い縞が入っているとビジョオニグモです。ビジョの名にふさわしくとても美しい蜘蛛なので、ぜひ探してみてください。


●ビジョオニグモ/Araneus mitificus
コガネグモ科オニグモ属


参考文献:文一総合出版『日本のクモ』
(2007.11.7/牛久市)

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雪男が牛久にやってきた?

前回のつづき、牛久市からの報告です。


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カラスハエトリです。まるで毛ガニのようです。この蜘蛛を見ると、ヒマラヤの雪男(架空の動物?)をいつも思いだします。


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なかなか上等なコートを着た蜘蛛です。すごくあったかそう。これはメスで、オスは所々に毛のないところがあって、黒い地肌がむき出しになっています。あまり見かけない蜘蛛ですが、まったく見ないというほどの珍種ではありません。


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蛾の幼虫がつくったと思われる丸まった葉のなかにいました。イモムシが引っ越したことをいいことに、それを利用して住居を作っていました。ほかにも隠れていないかと探してみましたが、この一匹だけでした。

次回へつづきます…


●カラスハエトリ/Rhene atrata
ハエトリグモ科カラスハエトリグモ属


参考文献:文一総合出版『日本のクモ』
(2007.11.7/牛久市)

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2007年11月 9日 (金)

ジョロウグモの糸はほんとに黄色い?

今週の水曜日の報告を忘れていました。この日は牛久市(うしくし)で仕事があり、少しでも蜘蛛の観察をしようと、約束の時間より1時間くらい余裕を持ってでかけました。近くには牛久市の総合運動公園があったからです。ここは一度も行ったことがないので、どんな蜘蛛がいるのか楽しみでした。


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青空がとてもきれいです。風景ははすでに晩秋という雰囲気。これから蜘蛛たちも少なくなるので、ちょっと寂しい気分です。


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お決まりのコクサグモです。生け垣の上にたくさんいました。


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そしてジョロウグモ。かねてよりジョロウグモの糸が黄色いのかどうか疑問でしたので、この機会に確認することにしました。このジョロウグモは、ホソヒラタアブらしき虫を食べていました。


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こうしてみると、なんとなく黄色っぽい感じがします。しかし、以前見たものとは比べ物にならないくらい色が薄いです。


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こちらは日陰に網を張っていたジョロウグモです。さらに黄色が薄くなっています。これを黄色と言うのは難しいでしょう。ほとんど透明です。日向と日陰で色が違うのかどうかは断定できませんが、個体によって黄色味の強い糸を出すものと、そうでないものがいるようです。

つづきは次回へ…


●ジョロウグモ/Nephila clavata
ジョロウグモ科ジョロウグモ属


参考文献:文一総合出版『日本のクモ』
(2007.11.7/牛久市)

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キクメハシリグモはいるのか?

前回からのつづき、小美玉市(旧美野里町)の水田です。


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結論から言うと、キクメハシリグモはいませんでした。似たような場所だったので、もしかしたら…と思いましたが、期待は見事に裏切られました。もっとも、一度だけの観察なので断定はできません。


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気分を切り替えて、田んぼのなかを見て回ることにしました。水田の縁にいたのはウヅキコモリグモの幼体です。


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刈り取りが終わり、乾燥気味の田んぼのなかにはキクヅキコモリグモがものすごくたくさんいました。刈り取ったあとの穂が薄く敷かれた場所などは、まさにキクヅキ天国。一歩踏み出すたびに足下からワッと出てきました。大きさは4ミリ程度から7ミリくらいまでさまざまです。


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なかにはオスらしき個体もいました。この時期にオスを見るのは珍しいと思います。ほかのコモリグモはオスを見かけたことがありませんが、キクヅキコモリグモは特別なのでしょうか? 一匹だけではなく数匹見かけました。


●ウヅキコモリグモ/Pardosa astrigera
コモリグモ科オオアシコモリグモ属

●キクヅキコモリグモ/Pardosa pseudoannulata
コモリグモ科オオアシコモリグモ属

参考文献:文一総合出版『日本のクモ』
(2007.11.8/小美玉市・旧美野里町)

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2007年11月 8日 (木)

蜘蛛に会いたくなって…

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「ガソリンを入れに行かなければ…」と、無理矢理に理由と時間をつくって行ってきました。給油のついでに向かったのは隣町の小美玉市(旧美野里町)です。前から気になっている場所があったので、今日こそは! と思い現地に向かいました。

なぜ気になっていたかというと…、ここには水路があって、キクメハシリグモがいるのではないかと予想したからです。旧美野里町にはキクメハシリグモがたくさんいる場所があります。その場所となんとなく環境が似ていると感じたのです。


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まずは水田の縁から見て回りました。さっそく見つけたのはアシナガグモです。水路に網を張っていました。どこにでもいる蜘蛛なので珍しくはありませんが、とりあえず撮ってみました。しかも腹部です(右側はオス)。

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この蜘蛛は網にいるときはもちろん、棒などにつかまらせても背中を上にすることがありません。まったく撮影者泣かせの蜘蛛です。仕方ないので、地面に下りてもらいました。


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水路にはナカムラオニグモの網と住居がたくさんありました。メヒシバらしき草の先端を丸めて綿棒の先のようにしています。穂先の白い糸布団のなかにいるのがナカムラオニグモです。


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ここでちょっと不思議に思うことがあります。先日、行方市(なめがたし)に行ったときにも、このような住居をたくさん見ました。行方市では、ナカムラオニグモだけでなく、ズグロオニグモもかなりの数を見ています。しかし、この県南地域から県央地域にかけての水田ではズグロオニグモをまったく見ません。なぜでしょう?


●アシナガグモ/Tetragnatha praedonia
アシナガグモ科アシナガグモ属

●ナカムラオニグモ/Larinioides cornutus
コガネグモ科ナカムラオニグモ属

参考文献:文一総合出版『日本のクモ』
(2007.11.8/小美玉市・旧美野里町)

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フジイとアライト、コモリグモ2種

前回のつづき、ほかに見つけた蜘蛛を報告します。


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フジイコモリグモです。体長が5ミリくらいでしたので幼体だと思います。胸部の模様が特徴的なので、比較的見分けやすい蜘蛛です。


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アライトコモリグモです。体長は10ミリ近くありました。この蜘蛛はメスの成体が10ミリ以上になります。その姿は間近で見るとかなりの迫力があります。

蜘蛛を観察し始めた頃は、上の2種の見分けがつきませんでした。でも、よく見ると模様がかなり違います。フジイコモリグモの方は胸部の中央にある明るい筋が中央付近で急激に狭まっています。その狭まるところに2本の黒い線がチョンチョンと入っているのが特徴です。一方、アライトコモリグモは中央の筋が狭まりますが、ゆっくりと狭くなっていきます。こちらにも2本の黒い線がありますが、フジイよりも長いです。成体になれば明らかに大きさが違いますので迷うことはありませんが、幼体のときには上記の点を参考に見分けています。


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ワカバグモです。クサカゲロウの幼虫らしきものが近くをうろついています。ワカバグモはこれを狙っているのかと思いしばらく見ていましたが、捕獲しませんでした。


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デーニッツハエトリのようです。この角度から見ると、いつもより顔が長いような印象になります。この公園にはたくさんいる蜘蛛です。ほかにもマミジロハエトリやシラヒゲハエトリなど、何種類かのハエトリグモを見つけました。あと、チャイロアサヒハエトリの幼体がかなりいました。


以上で11月4日に見つけた蜘蛛の報告を終わります。

●フジイコモリグモ/Arctosa fujiii
コモリグモ科ミズコモリグモ属

●アライトコモリグモ/Trochosa ruricola
コモリグモ科キタコモリグモ属

●ワカバグモ/Oxytate striatipes
カニグモ科ワカバグモ属

●デーニッツハエトリ/Plexippoides doenitzi
ハエトリグモ科マダラハエトリグモ属


参考文献:文一総合出版『日本のクモ』
(2007.11.4/小美玉市・旧小川町)

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2007年11月 7日 (水)

気になっていた蜘蛛はヤマヤチグモらしい

前回のつづきです。


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庭園をあとにして向かったのは、数日前にハンゲツオスナキグモを見つけた場所です。さすがにもう見つからないだろうと思いながらも期待に胸をふくらませながら現場に向かいました。予想通り見つかりませんでしたが、別の蜘蛛がいました。


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田んぼなどにある塩化ビニール製の農業資材の一種です。その波形になった部分をうまく利用して蜘蛛が網を張っていました。さっそく捕獲してみることに…


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この蜘蛛は先々週の北茨城市、先週の桜川市で見た蜘蛛と同じようような気がします。自分としてはヤマヤチグモではないかと判断しました。この蜘蛛は意外に多い蜘蛛のようです。


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近くにあったヒノキの樹皮に目をやると、サラグモらしき蜘蛛の網がありました。そばには何やら怪しげなものが見え隠れしています。樹皮の裏に隠れている蜘蛛の脚ですが、縞模様がとても目立ちます。


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サラグモにしてはかなり大きいです。サラグモというと4〜5ミリのものがほとんどですが、この蜘蛛は6ミリ以上ありました。調べたところアシヨレグモらしいことがわかりました。自分は初めて見る蜘蛛です。名前は、オスの一番前の脚がよじれていることから名付けられたそうです。ただしメスはねじれていないようです。写真の蜘蛛はメスなのでねじれていません。今回の件で、サラグモにはこんなに大きなものもいるということがわかりました。

このつづきは次回へ…

●ヤマヤチグモ/Tegecoelotes corasides
ヤチグモ科ヤマヤチグモ属

●アシヨレグモ/Labulla contortipes
サラグモ科アシヨレグモ属


参考文献:文一総合出版『日本のクモ』
(2007.11.4/小美玉市・旧小川町)

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2007年11月 6日 (火)

ツタの裏にユウレイグモ

先週の木曜と土曜に小美玉市(旧小川町)の「やすらぎの里」で蜘蛛探しをしましたが、日曜日にも再び行ってきました。


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まず目についたのはツタの葉です。葉の所々に蜘蛛の網が見えます。いったいどんな蜘蛛がいるのかと葉の裏を覗いてみました。


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ユウレイグモです。こんな場所で網を張るとは知りませんでした。体長は4〜5ミリでした。まだ幼体なのかもしれません。


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園内には日本庭園のような場所があって、コンクリート製のオブジェがおいてあります。そのひとつにオオヒメグモらしき蜘蛛が網を張っていました。いつも軽く息を吹きかけると動くはずなのですが、その蜘蛛は動きませんでした。不思議に思い、指で突ついてみましたがピクリともしません。よく見るとようすが変です。体全体にカビが生えていました。


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庭園内には渡り廊下があります。半円の弧を描いていて、ちょっとシャレた感じです。この庇の部分にはオオヒメグモの卵のうがたくさんありましたが、親蜘蛛は一匹もいませんでした。


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コガネグモでしょうか、まだ小さな幼体です。もしかするとコガタコガネグモかもしれません。網の中央にはX印に網が濃くなった部分があります。これは隠れ帯というもので、蜘蛛の種類によってはこの帯を作るものがいます。しかも、種類ごとに直線、X印、渦巻きと形状が違うのもおもしろいです。

このあと、土曜日にハンゲツオスナキグモを見つけた場所に向かいますが、つづきは次回にします。

参考文献:文一総合出版『日本のクモ』
(2007.11.4/小美玉市・旧小川町)

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ハンゲツオスナキグモがいた!

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ミヤグモを見つけたので、なかなか期待できる場所ではないかと思い、再び小美玉市(旧小川町)の「やすらぎの里」へ出かけました。じつは園内には移築された古民家があっていい雰囲気なのも気に入っています。この古民家にはヒラタグモの住居らしきものがたくさんあります。何度か住居を軽く押してみたのですが、ヒラタグモは不在でした。そのうち会えると思います。


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最初に見つけたのはヒメグモの仲間です。バラギヒメグモのようです。この蜘蛛はとにかくたくさんいました。体長は2〜3ミリでまだ幼体のようです。枝先の葉がまとまっているところにかわいらしい網を張っています。


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ヤリグモです。こちらは蜘蛛を襲う蜘蛛で、なかなか獰猛な性格です。体が三角形なので、見ればすぐに気がつくと思います。


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若葉の季節ではありませんが、ワカバグモもいました。


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切り株の根元にこんな穴がありました。蜘蛛の住居に違いないと思って覗き込むと、脚らしきものが見えました。さっそく捕獲してみることに…。


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なんと、出てきたのはハンゲツオスナキグモです。初めて見る蜘蛛なので、嬉しさは格別です。図鑑では見たことがありますが、本物を目にして感動がこみ上げてきました。この蜘蛛は、腹部の前方にある黄色い斑紋を半月に見立てて命名されたそうですが、半月というより三日月に見えます。ちなみに、写真の個体はオスではなくメスです。

この蜘蛛、今まで蜘蛛探しをしていて出会ったことがありません。自分はかなり珍しい蜘蛛だと思っています。今回のように、たまたま住居を見つけ取り出して初めて目にしました。それにしても、あの穴がハンゲツオスナキグモの住居だとは想像もしていませんでした。なお、茨城県のレッドデータブックでは“稀少種”に指定されています。そんなこととも合わせて考えると、この蜘蛛に出会えたのはとても幸運だったと思います。


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調子に乗って、周りにある切り株を全部見てみましたが、ほかにハンゲツオスナキグモはいませんでした。その代わりに見つけたのがユウレイグモです。奥に薄いピンク色の物体(卵のう)があるのがわかるでしょうか? ユウレイグモは家屋やコンクリート製の建物にいるとばかり思っていましたが、屋外にもちゃんといることがわかりました。


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帰りには古民家からもくもくと煙が上がっていました。ときどき燻煙しているようです。


●バラギヒメグモ/Takayus chikunii
ヒメグモ科タカユヒメグモ属

●ヤリグモ/Rhomphaea sagana
ヒメグモ科ヤリグモ属

●ワカバグモ/Oxytate striatipes
カニグモ科ワカバグモ属

●ハンゲツオスナキグモ/Steatoda cingulata
ヒメグモ科カガリグモ属

●ユウレイグモ/Pholcus crypticolens
ユウレイグモ科ユウレイグモ属


参考文献:文一総合出版『日本のクモ』
(2007.11.3/小美玉市・旧小川町)

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2007年11月 5日 (月)

眼が6つの蜘蛛、ミヤグモ発見!

先日、新しいカメラを手に入れました。新しいとは言っても中古です。気軽に携帯できるカメラがほしいと思い、友人に頼んでコンパクトデジカメをオークションで落札してもらいました。その受け渡しの日にカメラの試写会をしました。でも小雨がぱらついていて、雑木林のなかはとても暗かったです。


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出かけたのは隣町、小美玉市(旧小川町)にある公園「やすらぎの里」です。さっそく蜘蛛の住居らしいものを発見しました。スギかヒノキか忘れましたが、幹の隙間に糸が張り付いています。樹皮上には“受信糸”と呼ばれるものが放射状に張り出しています。小さな虫などがこの糸にふれると、蜘蛛が穴のなかからササッと出てきて獲物を捕らえます。


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ピンセットを使って家の主を取り出してみると、なんとエンマグモ科のミヤグモでした。冬に一度見たきりなので二度目の対面です。一般的に蜘蛛は8眼ですが、エンマグモの仲間は6眼らしいです。当然このミヤグモも6眼です。普段はほとんど見かけない蜘蛛なので、ちょっと感動しました。

(今回使用したカメラはソニーのサイバーショットです)

●ミヤグモ/Ariadna lateralis
エンマグモ科ミヤグモ属

参考文献:文一総合出版『日本のクモ』
(2007.11.1/小美玉市・旧小川町)

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2007年11月 4日 (日)

アシナガグモって色が変わるんですね〜

前回のつづき、霞ヶ浦湖岸の松林からの報告です。

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ほかに見つけた蜘蛛は、ヤチグモ科の蜘蛛です。コンクリートの壁面の窪みに住居を作って隠れていました。メガネヤチグモのような感じがしますが、ちょっと自信がありません。


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アシナガグモ科の蜘蛛です。かなりの数がいたので、普通のアシナガグモの幼体のような気がします。この幼体を触って気がついたのですが、この蜘蛛たちはかなり激しい体色変化を起こします。写真は変化後の姿です。触る前はもっと明るい色だったのですが、黒くなってしまいました。今までアシナガグモの成体は何度も見ていますが、これほどの体色変化を起こすとは気づきませんでした。アシナガグモ科の蜘蛛は体色の変化を起こすことで知られています。特にキララシロカネグモが有名です。


●メガネヤチグモ/Paracoelotes luctuosus
ヤチグモ科メガネヤチグモ属

●アシナガグモ/Tetragnatha praedonia
アシナガグモ科アシナガグモ属


参考文献:文一総合出版『日本のクモ』
(2007.10.30/行方市・旧麻生町)

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マツの樹皮にいるワシグモ

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潮来市からの帰り道に寄ったのが、行方市(旧麻生町)の霞ヶ浦沿岸です。数日前に天王埼公園にも行きましたが、今回立ち寄ったのは数百メートル手前にある松林です。水辺近くなので、どんな蜘蛛がいるのか興味がありました。土手をはさんだ正面には、写真のような小さな砂浜があります。砂浜の周囲にはヤナギのほか、セイタカアワダチソウ、ススキ、アシなどが生えています。そこにはナカムラオニグモとズグロオニグモがたくさんいました。


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さて、松林を探してみると…。松の樹皮に黒い蜘蛛がいました。ワシグモ科の蜘蛛のようです。


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捕獲してみるとホシジロトンビグモでした。このように模様の入ったワシグモ科の蜘蛛は比較的見分けやすいです。とはいうものの、ワシグモ科の蜘蛛は種を同定するのはとても難しいです。自分は、明瞭な模様が入ったもの以外は見分けられません。


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蜘蛛を見つけた松林は神社の境内でした。蜘蛛に夢中になって気づきませんでした。


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さらに松の木を見てみると、産卵を終えたジョロウグモがいました。お腹がかなり小さくなってしわしわになっています。「お疲れさまでした!」と思わず声をかけたくなりました。


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松林を歩いている途中、頭上からミノムシのようにスルスルと下りてくる物体を発見。なんだろうと思ったらハエトリグモでした。ジャバラハエトリのような気がしますが、まだ幼体なのではっきりとはわかりません。もしジャバラハエトリだとすると、けっこう珍しいと思います。


この日はほかにも蜘蛛を見つけましたが、残りは次回に報告します。


●ホシジロトンビグモ/Sergiolus hosiziro
ワシグモ科ブチトンビグモ属

●ジョロウグモ/Nephila clavata
ジョロウグモ科ジョロウグモ属


参考文献:文一総合出版『日本のクモ』
(2007.10.30/行方市・旧麻生町)

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2007年11月 3日 (土)

ヒメグモ、エビグモ、そしてヒメグモ

前回のつづき、潮来市の旧牛堀町の蜘蛛たちです。


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権現山公園をさらに歩くと、サツキの枝先に蜘蛛の網を発見しました。ようすからするとヒメグモのようです。


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実物を見てみるとアシブトヒメグモに似ていますが、ちょっと模様が違うような気もします。触肢を見ると膨らんでいるようなので、オスの亜成体のようです。この蜘蛛は、最近よく目にしますが、見つけるたびに悩んでいます。アシブトヒメグモなのか、そうでないのか…。


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桜の樹皮にエビグモを見つけました。こうして見ると、どこにいるのかわかりません。キハダエビグモのようですが、とにかくたくさんいます。


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茨城県南部では最も多いエビグモではないでしょうか。県北部そして鹿行地域でも見かけます。茨城に限らず全国的に多い蜘蛛のような気がします。


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カレハヒメグモです。ヒメグモは小さいものが多いなか、この蜘蛛は比較的大きなヒメグモです。


以上で潮来市・旧牛堀町で見た蜘蛛の報告を終わります。さらにこのあと、行方市にも立ち寄りました。その報告は次回にします。


●キハダエビグモ/Philodromus spinitarsis
エビグモ科エビグモ属

●カレハヒメグモ/Enoplognatha abrupta
ヒメグモ科ハダカグモ属


参考文献:文一総合出版『日本のクモ』
(2007.10.30/潮来市・旧牛堀町)

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クサグモは何処に

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再び、鹿行地域の潮来市からの報告です。別の日にまた出かけたので、ちょっと蜘蛛観察をしてみました。今回は、潮来市と言っても旧牛堀町です。場所は高台にある権現山公園。ここは眺めのいい場所で、霞ヶ浦や川沿いの風景が一望できます。あの葛飾北斎が描いた「常州牛堀」は、ここからの眺めだと言われています。


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さて、蜘蛛の報告です。まず見つけたのはコクサグモ。柔らかそうな棚網を張っていました。写真は比較的新しそうな網を撮ってみました。棚網と言ってもピンと来ない方も多いと思います。でも、この写真を見れば「あぁ、これね!」と思いだすのではないでしょうか。


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なかにはアリをごちそうにしているものもいました。コクサグモがアリを餌にしているのは初めて見ました。よほどお腹がすいていたのでしょうか? それともよく食べる獲物なのでしょうか? 背の低いドウダンツツジ、人の身長ほどのツツジのてっぺんには、たくさんのコクサグモの網がありました。

しかし、不思議なものです。数か月前は、このような棚網の主はクサグモでした。特に夏頃はほとんどがそうでした。その頃コクサグモは、スラリと伸びたヨウシュヤマゴボウなどの葉の上に数センチ四方の小さな網を張っていたに過ぎません。夏から秋にかけてクサグモとコクサグモの交代劇があったのでしょうか。いったい二人(二種)の間にはどのような取り決めがあるのか知りたくなりました。


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クサグモばかりでうんざりしていたところ、小さな蜘蛛が目にとまりました。よく似た蜘蛛にアシハグモがいますが、模様から判断するとネコハグモのようです。


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さらにコガネグモ科の蜘蛛のものらしき網を発見。枠糸の結び先を注意深く追っていくと、緑の蜘蛛が見えました。アオオニグモです。久々の対面なので、ちょっと嬉しかったです。アオオオニグモは、枠糸の一本を必ず葉に結びつけています。その葉をほどよく曲げ、自分の体がすんなり入るスペースを確保して糸でかがります。それが彼らの住居です。お腹を向けているので、緑の葉っぱと同じ色になっています。一応、保護色ということなのでしょう。よく考えたものです。しばらく前に報告したビジョオニグモも同じような住居を作ります。しかも腹部も同じ緑です。


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せっかくの機会なので、今回撮ったアオオニグモと以前撮ったビジョオニグモを比較してみます。アオオニグモはかなり小さな幼体ですが、色の比較はできると思います。上がアオオニグモで、下がビジョオニグモです。腹部はほとんど同じです。ですから、背中を見るまではどちらか判断できません。


ちょっと長くなってしまったので、このつづきは次回にします。


●コクサグモ/Allagelena opulenta
タナグモ科コクサグモ属

●ネコハグモ/Dictyna felis
ハグモ科ハグモ属

●アオオニグモ/Araneus pentagrammicus
コガネグモ科オニグモ属

●ビジョオニグモ/Araneus mitificus
コガネグモ科オニグモ属


参考文献:文一総合出版『日本のクモ』
(2007.10.30/潮来市・旧牛堀町)

*ビジョオニグモは10月20日に岩井市で撮影したものです

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2007年11月 2日 (金)

まるで縁日。蜘蛛の屋台が店開き

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神栖市からの帰り道、途中の行方市(旧麻生町)にある天王崎公園に立ち寄りました。すでに陽はかなり傾いています。ここも鹿行(ろっこう)地域で、霞ヶ浦に面した風光明媚な場所です。水郷・潮来のすぐ近くということもあり、独特の雰囲気があります。自分はこのあたりの風景がけっこう好きです。


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かわいいハエトリグモを見つけました。体長4ミリくらいのヒトリコゲチャハエトリです。県南部でもよく見かけます。この愛らしい蜘蛛は、なぜかコンクリートが好きなようです。見つけたのは湖岸にある転落防止用のコンクリート製手すりでした。


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すでに陽は沈みかけています。太陽が地平線にふれてから姿を隠すまでは、本当に束の間。長く伸びた自分の影が、あっという間に消えてなくなります。仕方ないので帰ることに…。

ところが、公園内にある松の木を通りかかると、どこから出てきたのか蜘蛛たちが一斉に網を張って店開きをしています。高さ約3メートルの若い松の木は、3〜4段に分かれて枝を広げています。まるでベランダが大きく張り出した4階建てのタワーで、各階におびただしい数の蜘蛛がいます。さっきまで姿が見えなかったのに、陽が沈むと同時に活動を始めました。日没が食事の合図のようです。


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店開きをしていたのは主にアシナガグモとナカムラオニグモです。ところどころにズグロオニグモ(写真)の姿がありました。数十匹が一斉に網を張るとかなりにぎやかで、まるで縁日の出店のようでした。

●ヒトリコゲチャハエトリ/Sitticus abocator
ハエトリグモ科コゲチャハエトリグモ属

●ズグロオニグモ/Yaginumia sia
コガネグモ科ズグロオニグモ属


参考文献:文一総合出版『日本のクモ』
(2007.10.29/行方市・旧麻生町)

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2007年11月 1日 (木)

ちょっともふもふの蜘蛛

前々回の神栖市のつづきです。


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コガネグモダマシです。ストロボがきつくて真っ白になってしまいました。印象としては毛むくじゃらです。


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間近で見ると、すらっとした色白美人といった蜘蛛です。


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コゲチャオニグモです。海岸近くの公園で見つけました。県南部にもいる蜘蛛なので珍しくはありません。


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コモリグモ科の蜘蛛です。ウヅキコモリグモのような気がしますが、県南部にいるものとどこか違うような感じがします。もしかしたらハリゲコモリグモかもしれません。オスがいれば種を見分けられるのですが、残念ながら見つかりませんでした。コモリグモ科の蜘蛛は難しいです。


●コガネグモダマシ/Larinia argiopiformis
コガネグモ科コガネグモダマシ属


●コゲチャオニグモ/Neoscona punctigera
コガネグモ科ヒメオニグモ属

参考文献:文一総合出版『日本のクモ』
(2007.10.29/神栖市)

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番外編   那須の蜘蛛

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先月末、那須に行ってきました。そのときに見つけた蜘蛛たちです。まずは、ウロコアシナガグモ。とてもきれいな緑の蜘蛛です。那須動物王国で見つけたのですが、牧場のような広い場所を仕切っている柵にたくさんいました。


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これはエビグモの仲間です。図鑑で見るとコガネエビグもが一番近いような感じです。この蜘蛛、お尻から糸を出してそれを風にフワフワとそよがせていました。しばらく見ていると、ぱっと体を浮き上がらせてどこかに飛んでいってしまいました。山形県の置賜地方には、以前「雪迎え」という現象があったと聞きます。秋に蜘蛛たちが一斉にお尻から糸を出して飛んでいくのをそう呼んだそうです。冬の訪れが早い東北ならではの郷愁あふれる命名だと思います。

きっと、那須のこの蜘蛛たちも雪迎えに似た現象を起こしているのかもしれません。写真はありませんが、コモリグモの一種がさかんに飛び立とうとしているところをたくさん見かけました。確か、山形の雪迎えはコモリグモ科の蜘蛛が起こす現象だったのではと記憶しています。


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なかには、腹部に模様がないものもいました。別種のようにも見えますが、きっと同じコガネエビグモでしょう。


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こちらはアマギエビスグモ。体長3〜4ミリの小さな蜘蛛です。茨城県南部でも見つけたことがあります。笠間市(旧岩間町)にある難台山にはたくさんいました。ヤマザクラの樹皮に隠れているのを何度か目にした記憶があります。


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サガオニグモです。茨城の県南部でもよく見かける蜘蛛ですが、那須にもいました。手前の蜘蛛は模様がだいぶ違います。腹部は同じなので、両方ともサガオニグモだと思います。多少の模様の違いは今までも何度か目にしましたが、上の写真のようにかなり違う模様を見たのは初めてかもしれません。


*本来は茨城県の蜘蛛の発見報告ですが、今回は特別に県外からとなりました。次回からはまた茨城にもどります。


●ウロコアシナガグモ/Tetragnatha squamata
アシナガグモ科アシナガグモ属


●コガネエビグモ/Philodromus aureolus
エビグモ科エビグモ属


●アマギエビスグモ/Lysiteles coronatus
カニグモ科エビスグモ属


●サガオニグモ/Eriophora sagana
コガネグモ科カタハリオニグモ属

参考文献:文一総合出版『日本のクモ』
(2007.10.27/栃木県・那須郡那須町)

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